チャールズ・ハンブロー:原爆産業の黒幕工作員 by 鬼塚英昭

冒頭の「このトラスト」とは、英・加・米の三国が世界のウラン供給のできるだけ多くの選択権を獲得すること、やさしくいえば「ウランの独占化を狙う組織」のこと、である。
このトラストの協定によって、"連合開発トラスト〃といわれた機関がワシントンに設置された。この機関の評議員として、米国側から有名な採鉱技師C・K・リース氏、スチムソン陸軍長官の特別顧問ジョージ・L・ハリソン氏、そして私(グローブス少将)が、英国側からチャールズ・ハンブロ卿とフランク・G・リー氏が、カナダ側からジョージ・C・べートマン氏が任命された。この機関は英米連合政策委員会の指示を受け、英米領土以外の原材料の取得を監督する。これら材料の配分は英米連合政策委員会の責任であった。トラストは機能を十分に発揮した。原材料をコントロールするいくつかの国際協定を締結する推進力になっただけでなく、マンハッタン工兵管区が着手していた探究と調査の規模を大きくし、品位の低い鉱石の晶位を高める分野での貴重な研究も促進した。
このトラストの協定により、グローブス将軍は書かないけれども、イギリスの原爆支配がはっきりとしてきた。「“連合開発トラスト”といわれた機関がワシントンに設置され」て、その実質的な最高責任者にチャールズ・ハンブローがなったからである。この機関に名を連ねたメンバーについては、すでに書いた。この機関に、英・加・米の原爆産業とその関連銀行の重役たちが入ってきたのである。
『資料マンハッタン計画』から、「資料72 チャーチル英国首相からスチムソン米国陸軍長官にあてた書簡」(一九四三年七月二十八日)を引用する。
スチムソン殿
われわれがチューブ-アロイズ〔管用合金=原爆計画の偽称〕のことで話し合ったのち、大統領から大いに意を強くするメッセージをいただきました。それは、協力再開の取り決めについて協議するため、こちらからだれかがワシントンヘ出向いてくれればありがたいのだが、という文面です。
そこで私は、枢密院議長に対し、できるだけ早く出発するよう要請しました。ついでに、きょう私が大統領に送った電文の写しを添付します。
枢密院議長は、月曜日または火曜日にワシントンに到着したいと考えており、到着したらすぐに貴下と連絡をとるでしょう。
議長は、私が作成する旨を会談の席で約束した協定要網案を携えて行きます。しかし、この書面にも要網案の写しを添えます。
貴下ならびに議長が、われわれみなが切望している協力再開に関する細部の取り決めをまとめ上げることができるものと確信するとともに、この目的を達成するために貴下が与えてくださったご助力に深く感謝いたします。
ウィンストン・チャーチル
この文章を読むと、アメリカ最高の政治的支配者がスティムソン陸軍長官であることが理解できるはずである。「われわれがチューブ-アロイズのことで話し合ったのち」に、チャーチルはルーズヴェルトに同意をとりつける手紙を出している。勿論、われわれとは、チャーチルとスティムソンである。
「到着したらすぐに貴下と連絡をとるでしょう」とあるのは、枢密院議長がスティムソンに「私が作成する旨を(スティムソンとの)会談の席で約束した協定要調案」をまず見せて協議をする。しかる後に、枢密院議長はルーズヴェルトに会い、チャーチルの要調案を見せて「スティムソン陸軍長官が認めました」という段取りになっているのが見えてくる。
しかし、この書簡はとても信じられない一面を持っている。ヒトラーと天皇ヒロヒトの軍隊とイギリスとアメリカが死闘(本当はすべて八百長だが)をくりひろげているときなのだ。その要綱案の中で、チャーチルは三つの提案をしている。その「第二」は重要である。
第二に、われわれは、相互の同意なしに、第三者に対してこれを使用しない。
この条項は、「チューブ-アロイズに関するアメリカ合衆国と連合王国当局間の協力協定書」(一九四三年八月十九日)で正式に決定した。この条項は、広島と長崎に原爆を落としたのは、アメリカ大統領や国務長官によってではなく、アメリカ合衆国と連合王国(イギリス)の当局間の協定のもとに、協力協定書によって決定されたことを証している。(引用注:というわけで、ロックフェラーばかり強調する議論は、真相を覆い隠すことにも繋がるのである)
この協力書はながい。前文を省略して途中から、しかもダイジェストして引用することにしよう。
第一は「相互に(相手国に対して)原爆を使わないこと」、第三は「互いに原爆情報の秘密を守ること」である。イギリスが原爆の開発を中止し、アメリカに全面的に協力するというのが協定の主要な内容である。
この計画を完遂するために両国間の全面的かつ有力な協力を保証するため、次の取り決めを結ぶ。
(a)下記をもって構成される合同政策委員会をワシントンに設置する。
陸軍長官ヘンリー・スチムソン(合衆国)
ヴァニヴァ・ブッシュ博士(合衆国)
ジェイムズ・B・コナント博士(合衆国)
陸軍元帥ジョン・ディル卿GCB、CMG、DSO(連合王国)
陸軍大佐J・J・ルーエリン閣下CBE、MC、MP(連合王国)
C・D・ハウ閣下(カナダ)
この協力協定書の狙いはイギリスヘの援助ということにつきる。「戦争の現状にかんがみれば、大西洋を隔てた両国で大規模な製造施設を二重に建設することは、戦争遂行力の無思慮な空費である」と協定書には書かれている。
イギリスに巣食う国際金融寡頭勢力は、イギリスで原爆を製造しようとした。しかし、イギリスは、ナチス・ドイツとの戦争で「戦争遂行力の無思慮な空費」のために、原爆製造の能力を失った。ベルギー領コンゴのウラン鉱山も閉山に追い込まれた。そこで、ルーズヴェルトを脅して原爆製造をアメリカにやらせることにした。そのときに、彼ら寡頭勢力と深い結びつきのあるスティムソン陸軍長官が唯一の味方となった。かくて、原爆製造の主体はイギリスからアメリカに移る。この合同政策委員会は、便宜上設立されたものである。実権は前に書いたように、英・加・米連合政策委員会にあった。
グローブス将軍が書いている文章をもう一度見てみよう。この連合政策委員会が連合開発トラストという機関をワシントンに設置した。 「スチムソン陸軍長官の特別顧問ジョージ・L・ハリソン氏、そして私(グローブス少将)が、英国側からチャールズ・ハンブロ卿と・・・」

このチャールズ・ハンブローこそがベルギー領コンゴの、役たたずとされたウラン鉱石をアメリカに売りつけた主役であった。彼の経歴を見れば、それは歴然たる事実であることが判明する。
チャールズ・ハンブローは、イギリス特殊作戦部(SOE)の長官である。そしてハンブローズ銀行の役員でもあった。
彼は、スチュアート・メンジース大佐(特殊情報部〔S-1〕長官[SIS長官])とともに、アメリカの戦略事務局(OSS)を、SIS(引用注:口語でMI6)対米工作責任者ウィリアム・ステフェンソンを使い設立させた。
また、一九四二年にアメリカが立てたプラン「勝利の計画」をルイス・マウントバッテン卿とともに工作して破棄させた。
ハンブローズ銀行はクルト・フォン・シュローダー男爵の銀行シュローダー銀行とともにヒトラーに多額の援助を続けていた。
ハンブローはネルソン・ロックフェラーが南米の子会社を使いヒトラーに石油を供給するよう説得し続けた。
また、ハンブローはキム・フィルビーを使い、アメリカの原爆情報をソヴィエトに提供していた。一九三五年以来、ヨーロッパ全域でソヴィエト諜報網が活動を行っていた。「赤い楽団」と呼ばれていたこの諜報網を助けたのはハンブローその人であった。
ハンブローは、この「赤い楽団」とOSSのアレン・ダレスを使い、アルフレット・E・ウェディマイァー将軍が立てて実行寸前にまでいった一九四三年中にドイツを敗北させるという「勝利の計画」をマウントバッテン卿(国王のいとこ)とともに放棄させた。
どうして戦争は一九四五年まで延ばされたのか?その最大の目的は原爆産業を将来にわたって確立することにあったのである。
ハンブローはSOE長官の地位を秘して、ワシントンに乗り込んで、連合開発トラストのイギリス側の評議員の一人となった。この男こそが、マンハッタン計画の主役であり、国際金融寡頭勢力の代表者の一人として、原爆投下にむけて、スティムソンとともに、その指揮をとったのである。
彼は後に、ハンブローズ銀行会長、ノーベル平和賞選考委員を歴任した。
鬼塚英昭 原爆の秘密[国外篇] 第五章 原爆投下のための周到工作 p169-174 より

また、広瀬隆 プルトニウム人体実験 によると
ロスアラモス研究所に戻ってみよう。原爆の製造に必要とされたのは、核分裂性物質のウランであった。ウランの最大の産地はコンゴにあり(引用注:実は当時既にカナダだったかもしれない。これは、意味深長である)、この鉱山利権を握っていたのが、ベルギー王室とウニオン・ミニエール社を指一本で動かすロスチャイルド財閥であった。そのためマンハッタン計画でウラン原料を調達する監督官として国際的な役割を果たしたのが、ロスチャイルド一族のイギリス人チャールズ・ハンブローであり、彼は戦時中にスパイ組織OSS(後年のCIA、引用注:CIAはアメリカではなくイギリス王室&ロスチャイルド[両者はすでに親戚]のために働くといってもよい。「特別な関係」のために働くのである)を設立してナチスを裏から(引用注:育て、長持ちさせ、その後)「壊滅」(「」は引用者。この1994年の広瀬氏の文章は、まだ甘かった)させた大物でもあった。のちに世界的なマーチャント・バンク「ハンブローズ銀行」の会長となり、イングランド銀行と南アフリカの大鉱山利権を支配した男である。 p314より
ユダヤ人であるロスチャイルド家、ハンブロー家、グッゲンハイム家、オッペンハイマー家は、何重にも血のつながりを持つ一族だった。しかもこの血族関係の中心に、ルーズヴェルト大統領が入り込んでいた。そして大統領の四男が、死の商人デュポン家の娘エセルと、第二次世界大戦直前の1937年に結婚していた。それは、プルトニウムを大量に製造する工場を建設するとき、誰にこの巨大な仕事を任せるか、という答えでもあった。 p315より (-> ロスチャイルド-モルガン-デュポンのプルトニウム連合へ。-ロックフェラー-メロン連合はウラニウム爆弾を担当した)

かように、ホロコーストの黒幕は同じだった。
参照
新世界のためのアジェンダ?
http://satehate.exblog.jp/6991054/
自分に国家の通賃をコントロールさせよ。そうすれぱ誰が法律を作ろうと知ったことではない。
http://satehate.exblog.jp/6924499/






by oninomae | 2008-08-17 01:26 | イルミナティ