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ロシア軍を装ってウクライナ軍を襲う謀議? 櫻井J

米国の駐在武官補佐官とウクライナ参謀本部の将校がロシア軍を装ってウクライナ軍を襲う謀議か 櫻井ジャーナル 2014.03.15
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201403150001/

 エドワード・スノーデンの内部告発により、アメリカとイギリスが電子情報機関を使って全世界の人びとの通信を傍受、記録、分析していることを多くの人が知るようになったが、ここにきてアメリカの悪事が盗聴で明らかにされている。「西側」のメディアは知らない振りをしているが、インターネット上に広がった情報を消し去ることはできない。

 最近の例では、「アノニマス」と名乗る集団によるハッキングがある。彼らがハッキングで入手した電子メールの中には、アメリカの駐在武官補佐官ジェイソン・グレシュ[Jason P. Gresh]中佐と
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ウクライナ参謀本部のイーゴリ・プロツュク[Igor Protsuyuk]との間で交わされたものがある(引用注:これも参照)。

 それによると、ロシア軍の軍服を着せた戦闘員にウクライナ軍基地を襲撃させ、ロシアがウクライナへ侵攻しているように見せかけようとしていた。ロシア軍の特殊部隊を装ってメリトポールのウクライナ空軍第25基地を3月15日までに、つまりクリミアで住民投票が行われる前に襲撃するよう、グレシュ中佐は指示しているのだ。

 この電子メールの真偽は不明だが、キューバへの軍事侵攻を正当化するために立てられた偽旗作戦「ノースウッズ[Operation Northwoods]」と基本的に同じだとは言える。(この作戦については、拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を)

 昨年11月2日から9日にかけてNATO(北大西洋条約機構)が行った軍事演習「不動のジャズ」[Steadfast Jazz Exercise]にウクライナも参加していることを考えると、少なくともウクライナ軍の一部上層部はNATO/アメリカの指揮で動いていると考えるべきだろう。

 シリアの化学兵器を「西側」が問題にしているときにもウクライナの名前が出てきた。カタール政府がイギリスのセキュリティ会社「ブリタム防衛」に対して送ったという電子メールなるものが公表されたのだが、それによると、シリアのホムスに化学兵器を持ち込み、ロシア語の話せるウクライナ人を使ってロシアに責任をなすりつけられないかとカタール政府は相談している。シリアでの工作にウクライナが出てくるのは興味深い。

 その後、イギリスやフランスはシリア政府軍が化学兵器を使ったとする主張を繰り返したが、国連独立調査委員会メンバー、カーラ・デル・ポンテは反政府軍が化学兵器を使った疑いは濃厚であり、政府軍が使用したとする証拠は見つかっていないと発言している。

 また、ジョージ・W・ブッシュ政権でコリン・パウエル国務長官の首席補佐官を務めたローレンス・ウィルカーソン[Lawrence Wilkerson]退役大佐はこの件に関し、イスラエルが「偽旗作戦」を実行したた可能性があるとしていた。

 「西側」の政府やメディアは触れたがらないが、インターネットでは広まっているものもある。例えば、アメリカのビクトリア・ヌランド[Victoria Nuland]国務次官補とジェオフリー・パイアット[Geoffrey Pyatt]駐ウクライナ大使との謀議。ふたりはウクライナの閣僚に誰を入れるかと相談しているが、
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その後、ヌランドはパイアットに対して次のように語っている:

 「あなたにも話したか、ワシントンに話しただけなのか覚えていないんだけれど、今朝、ジェフ・フェルトマン[Jeffrey Feltman]と話した際、新しい国連のヤツの名前を聞いたわ。ロバート・セリー[Robert Serry]よ。この話、今朝、あなたに書いたかしら?」

 フェルトマンはアメリカ国務省の近東担当次官補や駐レバノン大使を務めた人物で、国連事務次長。イラン、シリア、ヒズボラを露骨に敵視していることで知られている。そのフェルトマンを国連の要職に就けた潘基文国連事務総長もアメリカ政府の傀儡だと言えるだろう。

 ヌランドはフェルトマンからセリーの話を聞いて喜んでいるのだが、その理由はEUのロシアに対する対応がソフトだと不満を持っていたから。そして、彼女は「EUなんかくそくらえ(F*ck the EU)」と口にしたわけだ。


 これ以上に重要な盗聴は、エストニアのウルマス・パエト[Urmas Paet]外相がEUのキャサリン・アシュトン[Catherine Ashton]外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)へかけた電話。2月25日にキエフ入りしたパエト外相は翌日、アシュトン上級代表に現地の状況を報告、その中で次のようなことを言っている:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。 としたうえで、「新連合はもはや信用できない」としている。なお、この会話は本物だとパエト外相は認めている

 そして、アシュトンの口から衝撃的な発言が飛び出す。「議会を機能させなければならない」と応じたのだ。暫定政権を潰すわけにはいかないということであり、そのために事実を明らかにすることはできないということだろう。

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 クーデターの前までウクライナの治安機関SBUの長官だったアレクサンドル・ヤキメンコ[Aleksandr Yakimenko]によると、狙撃の第1発目は、アンドレイ・パルビー[Andriy Parubiy]なる人物のグループが制圧していたビルから発射されたという。

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 パルビーは「ウクライナ社会ナショナル党(スボボダの前身)」というネオ・ナチの政党の共同創設で、「オレンジ革命」では指導者のひとりだった。現在は国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)の書記に就任している。

 ヤキメンコによると、スナイパーは10人編成のグループがふたつあり、狙撃部隊のメンバーにはウクライナの特殊部隊員も含まれていたようだが、ユーゴスラビアなど他国からやって来た傭兵が主力で、彼らはアメリカ大使館に住んでいたという。パルビーはアメリカの特殊部隊に接触しているとヤキメンコは信じている。


関連

ウクライナ新“準ファシスト”政権紳士録: アメリカとEUが支援している連中のご紹介 Brian Becker Global Research 2014年3月8日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/eu-16f0.html

ロシア国連大使:キエフのデモ抗議者たちはマイダン司令部から狙撃された
http://rockway.blog.shinobi.jp/%E6%88%A6%E7%95%A5/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E5%9B%BD%E9%80%A3%E5%A4%A7%E4%BD%BF%EF%BC%9A%E3%82%AD%E3%82%A8%E3%83%95%E3%81%AE%E3%83%87%E3%83%A2%E6%8A%97%E8%AD%B0%E8%80%85%E3%81%9F%E3%81%A1%E3%81%AF%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%80%E3%83%B3%E5%8F%B8%E4%BB%A4

ベネズエラも、アメリカの犯罪的政権によって打倒されつつある Paul Craig Roberts 2014年3月14日
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-211b.html

・・・抗議行動を画策し、クーデターをたくらんでおいて、ケリーは自分が解き放った暴力に対して、マドゥロを非難し、マドゥロに“人権を尊重”するよう呼びかけた。

アメリカ政府の脚本は常に同じだ。犯罪をおかして、犠牲者に罪をなすりつける。

・・・つい先頃、アメリカ幹部が(アメリカ政府)が、ロシアを苦境に陥れ次第、南米の成り上がり連中に対処する予定だと語った。

計画は予定通り進んでいる。


憲法を無視、ネオナチのクーデターでウクライナを制圧しようとする「西側」の背後に巨大資本
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201403170000/

 ウクライナには「西側」が憲法を無視して作った暫定政権と、その暫定政権に国を追われた大統領が存在している。暫定政権はクーデターで誕生したのだが、その実戦部隊がネオ・ナチだということは本ブログで何度も書いたこと。その主要ポストを眺めると、「西側」の「国境なき巨大資本」と結びついたオリガルヒとネオ・ナチで構成されている。

 クーデターの前までウクライナの治安機関SBUの長官だったアレクサンドル・ヤキメンコによると、狙撃や火焔瓶などで市街を火と血の海にしたのはアンドレイ・パルビー。現在は国家安全保障国防会議(国防省や軍を統括する)を統括している人物だが、このパルビーはアメリカの特殊部隊に接触しているとヤキメンコは信じている。

 「アノニマス」と名乗る集団がハッキングで入手した電子メールとされるものが公開されているが、その中にはアメリカの駐在武官補佐官ジェイソン・グレシュ中佐とウクライナ参謀本部のイーゴリ・プロツュクとの間で交わされたものがある。この電子メールが本物なら、キエフのクーデターにアメリカ軍が関与していることになる。

 スナイパーを使って多くの人を死傷させたのは暫定政権側だということをEUも認識していることは、エストニアのウルマス・パエト外相とEUのキャサリン・アシュトン外務安全保障政策上級代表(外交部門の責任者)との会話で明らか。2月26日、パエト外相はアシュトン上級代表に対し、次のように言っている:

 「全ての証拠が示していることは、スナイパーに殺された人びと、つまり警官や街に出ていた人たち双方、そうした人びとを同じスナイパーが殺している。同じ筆跡、同じ銃弾。実際に何が起こったかを新連合(暫定政権)が調査したがらないほど、本当に当惑させるものだ。スナイパーの背後にいるのはヤヌコビッチでなく、新連合の誰かだというきわめて強い理解がある。」 としたうえで、「新連合はもはや信用できない」としている。

 このネオ・ナチにはネオ・ナチの思惑があるのだろうが、彼らを使っている勢力の目的は別だ。ズビグネフ・ブレジンスキーは1997年頃からウクライナを制圧することでロシアを潰す戦略を立てていた。

 また、ロバート・ゲーツ元国防長官の回顧録『任務』によると、リチャード・チェイニーはジョージ・W・ブッシュ政権で副大統領を務めていたとき、ソ連やロシア帝国が消滅するだけでは不十分で、ロシアという存在自体を抹殺するべきだと話していたという。そのためにもウクライナの制圧は重要な意味を持つ。

 こうした地政学的な視点だけでなく、巨大資本のカネ儲けもウクライナ支配の大きな動機だ。その点を露骨に口にした人物がアメリカのビクトリア・ヌランド国務次官補。

 昨年12月13日、ヌランド次官補は米国ウクライナ基金の大会で演壇に登場、1991年からウクライナを支援するため、50億ドルを投資したと発言している。その際、彼女の背後には巨大石油企業シェブロンのマークが飾られていた。

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 そのシェブロンは11月5日、ウクライナ西部で石油と天然ガスを50年間、開発することでウクライナ政府と合意している。同社の総投資額は100億ドルになるとウクライナ政府は語っていた。

 現在、ウクライナはロシアの石油に頼っているが、アメリカ企業がウクライナで油田を開発することで、ロシアから自立させようという思惑もあるようだ。これは、ジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使の話だ。EUもウクライナ経由でロシアから石油を輸入しているわけで、EUに対するロシアの影響力を弱められるということにもなる。

 ヌランドとウクライナ政府の閣僚人事について話し合った会話が盗聴され、内容が公表されたジェオフリー・パイアット駐ウクライナ米国大使は、ウクライナのエネルギー自立を強めるため、ウクライナ政府に協力すると固く決意していると語っている。

 エネルギーだけでなく、モンサントカーギルなど、アグリビジネスもウクライナに食い込もうとしてた。

 ところが、11月21日、ウクライナ政府はEUと経済や政治などでの関係を強化する「連合協定」の締結に向けた準備を停止、ロシアとの協議を再開すると発表する。ロシア政府が天然ガスの価格を30%値下げし、150億ドルを支援すると提案、その好条件を受け入れたのだ。EUの実態を見てもわかるように、巨大資本は所詮、ターゲット国を食い物にするだけで、ロシア側の提案に乗ったのは当然だった。

 そして、キエフではビクトル・ヤヌコビッチ大統領に対する抗議活動が始まる。2月21日に平和協定が調印され、事態が収束に向かいそうになったところでネオ・ナチが狙撃を始めて死者が急増、クーデターを成功させたわけである。その「功績」で現在、キエフではネオ・ナチが主導権を握ったようだ。アメリカはアル・カイダに続き、ネオ・ナチというモンスターを育て上げた。



by oninomae | 2014-03-16 05:19 | 戦争詐欺・紛争  

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