ケニアでの「テロ」も「西側」やイスラエルにとって願ってもない出来事であるに違いない 櫻井J
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201309250001/
ケニアの首都、ナイロビにあるショッピング・モールがアル・カイダ系の武装集団に襲撃され、多くの死傷者が出ているようだ。武装集団はソマリアを拠点とするアル・シャバーブ[Al-Shabaab]。2011年10月にケニア軍がソマリアに軍事侵攻、アル・シャバーブを首都のモガディシュから追い出し、その後もソマリア国内に居座っていることに対する報復だとする見方が伝えられている。ちなみに、アル・シャバーブがアル・カイダに合流したと発表したのは2012年2月のことだ。
昔から欧米はこの地域の支配に熱心。言うまでもなく、インド洋から紅海へ入り、スエズ運河を通過して地中海へ抜けるルートの入り口にソマリアが位置していることによる。
交通の要衝ということだが、それだけでなく、ソマリアやケニアには地下に石油が眠っていると見られ、最近ではそうした利権を「西側」が狙い、戦乱の大きな要因になっている。
そうしたソマリアへ1993年、アメリカ軍が介入した。その際に首都モガディシュでアメリカ軍のヘリコプター、ブラックホークが撃墜されて20名近い米兵が戦死(ソマリア側は数百名が殺されているのだが)するという出来事も起こった。
2006年に入ると、ソマリアではCIAが支援していた武装集団がイスラム勢力に敗北する。そこでアメリカ政府は隣国のエチオピアに支援を要請、一旦はエチオピア軍がソマリアのイスラム勢力を一掃したのだが、2009年1月にエチオピア軍が撤退するとアル・シャバーブなどの武装勢力が戦闘を激化させ、首都モガディシオでも多数の死傷者が出る事態になる。そしてケニア軍が軍事侵攻したわけだ。
現在、ソマリアの大統領を名乗っているハッサン・シェイク・モハマド[Xasan Sheekh Maxamuud]はムスリム同胞団、さらにアル・シャバーブにつながっている。リビアで体制が倒された後、ムスリム同胞団系のグループがリビアの保有していた武器などを独占的に確保、サウジアラビア系のグループと対立が生じたとも言われているのでモハマド大統領の立場は微妙だが、それでもシリアの体制を転覆させるため、オバマ政権にモハマド大統領は協力しているという。
ところで、今回襲われたモールのオーナーはイスラエル人。そうしたこともあり、人質が取られた直後にイスラエルの治安部隊が中に入り、ケニア人部隊を指揮したと伝えられている。ケニアにはイスラエルの情報機関や軍が顧問として駐留している。
「アラブの春」が話題になってからの中東/北アフリカの動きを見ると、リビアではアル・カイダ系のLIFGが地上軍の主力となり、アルジェリアの東部にある天然ガス関連施設を襲撃してフランス軍をマリへ引っ張り込んだAQIMはLIFGと一心同体の関係。アメリカ、イギリス、フランス、トルコ、サウジアラビア、カタール、イスラエルなどが後押ししているシリアのアル・ヌスラ、そして今回のアル・シャバーブとも結びついている。
アル・カイダと「西側」は敵になったり味方になったり目まぐるしいが、「西側」の軍隊を引き込む役割をアル・カイダが演じていると解釈するとすっきりしてくる。そう考えている人も少なくないようだ。
サハラ以南の国々を自立させ、欧米から真の意味で独立したアフリカを築こうとしていたリビアのムアンマル・アル・カダフィ政権が倒された今、アメリカのAFRICOM(アメリカ・アフリカ統合軍)も活動を活発化させてくるのだろう。ケニアでの「テロ」も「西側」やイスラエルにとって願ってもない出来事であるに違いない。
泉田知事に何があったのか 「特捜部がターゲットに」報道も 2013年9月26日 20:19
http://tanakaryusaku.jp/2013/09/0007943
by oninomae | 2013-09-27 22:59