エージェント・オレンジから農薬や遺伝子組み換え作物まで。モンサントを信じてはいけない理由 Josh Sager
エージェント・オレンジから農薬や遺伝子組み換え作物まで。モンサントを信じてはいけない理由 Josh Sager theprogressivecynic.com 2013年4月30日
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Josh Sager - 2012年6月

(Image Credit: Rasa13)
モンサント社は、現在世界最大の農薬、バイオ技術企業の一社だ。
同社の製品は、大半の農業部門、公有地維持、造園に用いられており、アメリカ全土のほとんどの店で見受けられる。モンサントは、広範な製品群を擁する数十億ドル規模の企業であり、遺伝子組み換え作物の最大の生産者の一社だ。
企業としてモンサントは、新規のより安全な農薬や、より丈夫な遺伝子組み換え作物を生産者だと宣伝している。不幸にして、モンサントが実際に世界に送り出してきた物は、彼等が喧伝したり、あるいは我々が社会として望んでいるものと全く違う可能性が高い。
モンサントは、新種の農薬から、遺伝子組み換え作物に至るまで、多くの製品を生産しており、いくつかの深刻な論争の中心となってきた。多くの場合、モンサント社は、潜在的に有毒であることが分かっていた製品を製造し、利益を得る為、そういう製品を販売し続けてきた。 違法ではないにせよ、主に安全基準を緩和させることを狙ったモンサントの莫大なロビーイング活動の故に(モンサントは、ロビーイング2011年会計年度中だけでも、630万ドルを費やしている、モンサントのロビーイング活動についてのより詳細な情報については、こちらのリンクを参照)、企業の利益のための有毒化学物質の販売は、極めて不道徳であり、またモンサント社製品の使用を評価したい人々にとって、関連もする。要するに、モンサントが、有用な製品という表示で、毒物を販売した前歴は、同社が販売するいかなる製品についてであれ信頼できるかどうかという疑念を投げかける。
初期の時代に、モンサントは、様々な工業用途に使われるPCB (ポリ塩化ビフェニル)を製造していた。PCBは非常に安定しており、液体絶縁物としての機能は優れているが、事実上あらゆる種類の生命に対して、極端に有毒だ。発がん性があり、毒性が高く、皮膚や粘膜に触れると腐食する。PCBの毒性にまつわる証拠が累積しても、1977年に、PCBのあらゆる国内製造を政府が禁止して、製造停止を強いられるまで、モンサントはPCBを製造し続けた。
モンサント社には、新規の強力な農薬を生み出すという、長く、時として不幸な実績がある。ベトナムで、ジャングルを破壊する為に使われた悪名高い“エージェント・オレンジ”と、強力な農薬DDTが、モンサントが初期に製造していた農薬の二大製品だ。エージェント・オレンジとDDTは、人の生命や環境に大変な被害を引き起こすため、現在禁止されているが、モンサントは、両方が合法であった間、ずっと製造し続けた。その使用が余りに危険だと見なされて以降の、モンサント農薬の販売により、人間の健康と環境に対して莫大なコスト引き起こされ、多くの命を奪い、生態系を破壊したが、モンサントには莫大な利益もたらしたのだ。
現在、モンサントは、強力で、建前上安全な農薬として、過去数十年間、最も広範に用いられている除草剤“ラウンドアップ”のメーカーだ。ラウンドアップの主要有効成分は、グリフォセートであり、それは最も一般的な雑草にとって、極めて有毒だ。更に、好機を利用して、モンサントは、グリフォセートの毒性の影響を受けず、成長過程で、この農薬を使うことができる“ラウンドアップ耐性”遺伝子組み換え植物を販売してきた。
“エージェント・オレンジ”やDDTほど危険でないとは言え、グリフォセート農薬使用にまつわるいくつかの問題がある。抗生物質が“耐性菌”を生み出すのと同様に、グリフォセート農薬は、“耐性雑草”を生み出す可能性がある。農薬は、一番強い雑草を除いて、全ての雑草を殺し、雑草の中でも一番手ごわい種類がその地域に住み着くのだ。最終的に、弱かった雑草は遺伝子プールから間引かれて、“耐性雑草”だけが残るようになる。この時点で、現代の農薬はほとんど役に立たなくなり、はるかに強力な(そして、より毒性の高い)農薬を使用することが必要になる。
耐性雑草を生み出す可能性に加え、グリフォセート農薬を、ヒト細胞、特に胎児に対する損傷と結びつける研究もある。グリフォセートは、FDAによって比較的安全と見なされている(毒性度III)が、たとえ極めて薄められていても、胚細胞、胎盤細胞を損傷しかねないことを示す研究もある。グリフォセートが胎児に対して持つ潜在的な危険性は、農薬が広範に使用されていることと、低濃度で損傷を引き起こすことを考えれば、とりわけ心配だ。ある種のヒトの細胞への損傷に加えて、グリフォセート農薬添加物(例 ラウンドアップの“不活性”成分)蓄積し、実験用ラットに遺伝子損傷を引き起こすことを示している。農薬添加物は、そのような損傷を起こすには大量に用いる必要はあるものの、人など他の哺乳類に対しても、そうした損傷がありうるかどうかという疑問を提起する。
モンサントの事業の大部分は、現在“遺伝子組み換え生物”(GMOs)の分野のものだ。これはつまり、同社が、病気への耐性を増し、栽培しやすくし、収穫量を増し、害虫によってたべられにくくしようとして、作物の遺伝子構造を変えているということだ。不幸にして、GMOは、遺伝子組み換えの意図せざる影響や副作用に悩まされることが多く、その結果、GMOは人が消費するのは危険になっている。モンサントは、同社のGMO製品、つまりGEトウモロコシや、牛の遺伝子組み換え型成長ホルモンの安全性を巡る、いくつかの深刻な論争巻き込まれたが、それでも同社は、同社の商品を販売し続けてきた。
最近、インターナショナル・ジャーナル・オブ・バイオロジカル・サイエンスに掲載された研究は、モンサントの遺伝子組み換えトウモロコシの消費と、肝臓と腎臓の臓器障害とのつながりを示しているように見える。この損傷は、トウモロコシに使われている遺伝子組み換え農薬と整合し、農薬は消費されるよりずっと前に分解するというモンサントの主張に反証するように思われる。モンサントのGMトウモロコシは、消費者の臓器障害を引き起こすかも知れないという証拠にもかかわらず、モンサントは同社製品のリコールを拒否している。有毒の可能性がある同社トウモロコシのリコールの拒否と、自社の利益の為に、消費者に損害を与えてきた同社の実績と組み合わせは、同社の商品を消費する人々の健康に対する同社の配慮は、大きな疑念を投げかける。
ブドウ糖果糖トウモロコシ・シロップは、大半の加工食品の欠くことができない素材だという事実を考えると、モンサントの遺伝子組み換えトウモロコシの安全性を巡る疑念は特に重要だ。モンサントGE“ラウンドアップ耐性”トウモロコシは、大半のアメリカの高果糖トウモロコシ・シロップの主原料なので、このトウモロコシによって引き起こされる潜在的悪影響は膨大な可能性がある。
モンサントの企業行動は、歴史的にも、現在も、消費者の安全より、自社利益を優先していることを実証している。有毒であろうとなかろうと、法律的に、販売可能な限り、モンサントが製品を販売するだろうことは明らかだ。
モンサントには、有毒な商品を販売するという特徴があるだけでなく、同社は毒性が明らかになった後でさえも、そうした商品が違法になるのを防ぐためのロビーイングをしており、商品が社会に対してもたらす損害を悪化させている。モンサントは、年間何百万ドルもロビーイングに費やしており、ワシントン DCの“回転ドア”(業界の専門家達が、監督官になる、あるいはその逆)を、実に大量に利用している。
モンサント製品の中には、まさに宣伝されている通りに、清潔で安全な農業商品もあるだろうが、危険な商品を売ってきた同社の実績からすれば、大衆にとって、同社製品を信じるべき理由はほとんどない。モンサント社は、同社製品が、社会に対し危害をもたらすのもかまわず、私的な利益の為に、毒物を何度も販売してきた。監督機関が、モンサントを、その怠慢に対して制裁しない以上、モンサントに立ち向かい、同社の悪行を大声で叫ぶのは大衆の責任だ。
今度、皆様が購入しようかと考えている商品に関してモンサントの名を聞かれた際には、購入を考え直していただきたい。食品が安全だったり、他の食品より品質が高かったりする可能性は十分あり得る。しかし、そうした食品が、読者の健康に有害な可能性も高いのだ。モンサントの潜在的に有毒な商品の代替品が非常に豊富にあるのに、読者や家族の健康で賭博をする必要などあるだろうか?

記事原文
Why Not to Trust Monsanto
http://theprogressivecynic.com/2013/04/30/why-not-to-trust-monsanto/
以下は元ページで
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人口削減狂想曲
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ほか
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http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013052801001626.html
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http://uchidashoko.blogspot.jp/2013/05/blog-post_30.html
米オレゴン産小麦の輸入停止 遺伝子組み換え発見で (05/31 12:36)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/economic/470256.html
農林水産省は31日、米オレゴン州の農場で遺伝子組み換え小麦が見つかったことを受け、オレゴン州産の小麦の輸入を当面、停止することを明らかにした。
輸入を止めるのは、オレゴン州産が含まれる米国産小麦の銘柄「ウエスタン・ホワイト」。ケーキやビスケットなどのお菓子に用いられることが多いという。
農水省は、政府が輸入した小麦を国内の業者に売り渡す入札を30日に実施したが、ウエスタン・ホワイトは対象から外した。遺伝子組み換え小麦が見つかった経緯など詳細な情報提供を米側に求めており、6月上旬に予定する次回入札でも対象から外す可能性がある。
Illegal Monsanto GMO wheat found in Oregon By John Upton
http://grist.org/news/illegal-monsanto-gmo-wheat-found-in-oregon/
A farmer in Oregon found a patch of wheat growing like a weed where it wasn’t expected, so the farmer sprayed it with the herbicide Roundup. Surprisingly, some of the wheat survived.
The startled farmer sent samples of the renegade wheat to a laboratory, which confirmed something that should have been impossible: The wheat was a genetically engineered variety that had never been approved to be grown in the U.S., nor anywhere else in the world.・・・
米国・オレゴン州の農場で除草剤耐性GM小麦発見 風評被害恐れる米農務省
http://www.juno.dti.ne.jp/tkitaba/gmo/news/13053001.htm
米国農務省(USDA)動植物検疫局(APHIS)が5月29日、オレゴン州の農場で採取された植物サンプルの検査で除草剤(グリホサート)耐性遺伝子組み換え(GM)小麦の存在が示されたと発表した。USDAの研究所によるさらなる検査は、このGM小麦が、モンサント社が1998年から2005年まで、16の州でフィールド試験を許されていたのと同じグリホサート耐性GM小麦品種の存在を示唆している。APHISは、オレゴン州の農家が農場で発見した除草剤で枯れない小麦の検査でグリホサート耐性GM小麦が存在する可能性が認められたというオレゴン州立大学の研究者からの通報を受けて公式調査を始めたという。
販売または商業生産を承認された小麦品種は、いまのところ、米国にも、世界のどこにもない。ただし、今回存在が認められたGM小麦の食品医薬局(FDA)による安全性審査は2004年に完了しており、この小麦の発見は安全性の問題を何ら提起するものではない。それでも、APHISは”事態は非常に深刻”ととらえ、調査を開始したのだという。どうしてこんなことが起きたか、できるだけ速やかに明らかしに、違法行為があれば植物保護法(PPA)に定められた厳罰に処するという。
USDA INVESTIGATING DETECTION OF GENETICALLY ENGINEERED (GE) GLYPHOSATE-RESISTANT WHEAT IN OREGON,APHIS,13.5.29
http://www.aphis.usda.gov/newsroom/2013/05/ge_wheat_detection.shtml
APHISの言う深刻な事態とは、言うまでもなく市場の反応だろう。オレゴン州で生産される小麦の90%は輸出される。「どういう反応が出るか考えたくもないが、米国は小麦の首位の生産者及び消費者であり、この種の「事象(イベント)」(事態を軽く見せる東電お得意の用語法)は種子生産者・農家から小売業者・消費者にいたる食料・飼料供給チェーンに呼び起こす可能性がある懸念を直接知っている」と言う。要するに、日本でも大流行の「風評被害」を恐れているわけだ。
GM小麦が気づかれないままに広がっているとすれば、それはここだけに限らないかもしれない。気づかれないままに既に輸出されている可能性さえ排除できない。動物の飼料成分となることが多いトウモロコシや大豆と異なり、直接人の食料となる小麦のGM品は消費者や市場の拒絶反応が強い。だからとりわけ輸出市場を失うことを恐れる北米の農家もGM小麦だけは受け入れをためらってきた。従って、モンサントも、干ばつ耐性品種を渇望する農家の声に応えて最近再開したものの、2004年以来、GM小麦開発の中断に追い込まれていた。そこにきてのこの「事象」、風評被害の直撃を食らう農家のみならxず、モンサントにも甚大な被害が及ぶ恐れがある。
Questions and Answers, APHIS,13.5.29
関連ニュース
Genetically modified wheat found in Oregon field raises trade concerns, Guardian,5.29
http://www.guardian.co.uk/environment/2013/may/29/oregon-genetically-modified-wheat-monsanto
Modified Wheat Discovered In Oregon,The New York Times,5.30
http://www.nytimes.com/2013/05/30/business/energy-environment/genetically-engineered-wheat-found-in-oregon-field.html?partner=rss&emc=rss
Monsanto is the metaphor for genetic manipulation, food chain control May 25, 2013 22:26
http://rt.com/op-edge/monsato-manipulation-food-chain-799/
by oninomae | 2013-05-30 01:45 | バイオハザード・GMO食品