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儲けを捨てて正義につけ 武田 邦彦

専門家が立ち上がって欲しい(3) エンジニアの信念
http://takedanet.com/2012/03/post_04af.html

エンジニアは自らの技術を愛する。それ故に産みだした技術が社会に悪い影響を与えた場合、「自分を守ること」より「自分の不甲斐なさ」、「神聖な技術に対して許し難いことをした」という感情が先立つはずである。それは工学が「社会の福利」を目的としているからでもある.

2011年の福島原発事故はどう見ても「原子力技術の恥」である。理由はともかく「技術の恥」であることは間違いなく、これまで培ってきた「日本の技術の信頼性」を原子力分野で著しく損なったことは間違いない。

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現在(2012年3月)で「原発は安全だ」という「原子力の技術者」はいるはずがない。その意味で「大飯原発3号機4号機の安全審査」をした原子力エンジニアが「安全だ」という判断をしたのは到底、信じられない。

個別には地震の加速度の問題、海水面の上昇と浸水の設計などまったく未検討であるが、その前に「10万年に1度以下の確率」とされた「大規模爆発」を起こしたのに、その1年後に原発を再開できるはずも無いからである。

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私が不思議なのは、原発に関係する科学者やエンジニア、日本原子力学会、原子力関係団体、電力会社がなぜ一斉に国民に謝り、被曝者の救援活動を行い、原発の活動を自粛し、事故原因について透明で明確な研究会を繰り返し行い、国民に原発の実情を明らかにすることを、なぜしないのか?それが全く理解できない。

むしろ、あれほどの事故を起こしても、まるで「心配する方がおかしい」、「もともと原発は安全だ」といっているように感じられる。かく言う私は原発の事故の原因が人災にあったこと、隠し事が多かったことなどを発言したり、出版したりしたことで原子力村からは「村八分」にあっているが、どうも今まで一緒にやってきたエンジニアの気持ちが理解できない。私が少数派なのだ。

確かに原子力のエンジニアは原子力で職を得、お金をもらってきた。でも、あれほどの事故を起こしたら、職を辞し、名誉を投げ捨てなければならない。我々は結果的に「ウソをつき、甚大な被害を与えた」のだから。

私は中部大学での講義の最後に、「君たちもエンジニアになり、やがて「儲けか、社会の正義か」を問われることになる。その時にはエンジニアの魂を大切にして、儲けを捨てて正義について欲しい」と希望を述べます。

原子力のエンジニア、日本原子力学会は社会にでて自分の不明を詫び、自分が得られる最大の情報を被害を受けた人に提供して欲しい。「反原発」の人が提供するのではない。これまで「原発を支えてきたエンジニア」こそが情報を提供しなければならない。いっこくも早くそうしてほしい。私たちエンジニアには崇高な使命があるのだから。


(平成24年3月5日)

「takeda_20120307no.447-(7:16).mp3」をダウンロード

武田邦彦

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