これには驚いた
http://www.kahoku.co.jp/news/2012/01/20120111t65024.htm
(省略する)
自校で3学期がスタートし、配られた紅白餅を手に笑顔を見せる太田小学校の3年生=10日、南相馬市
福島第1原発事故により昨年9月まで緊急時避難準備区域となり、閉鎖されていた南相馬市原町区の高平、太田、原町二の3小学校が10日、3学期スタートに併せて自校で授業を再開した。
3校は市内の別の学校に間借りしていた。校庭や校舎の除染は昨年10月までに完了していたが、貯水槽などの修理が終わらず再開が遅れていた。
市教委によると、児童数は高平小が93人(震災前は185人)、太田小が50人(136人)、原町二小が146人(342人)で、原発事故などの影響で50~65%減少した。
来月27日には、放射線量が比較的高い原町区石神地区にある石神一、二小と石神中、原町三中の計4校も自校で再開する予定。これにより避難準備区域内にあった南相馬市内の全小中学校が再開されることになる。
関連
南相馬市の真実② 福島県南相馬市原町・・・ 消えない夜 + ホットパーティクル
http://satehate.exblog.jp/17233756/
ドイツ、オットー•フーク放射線研究所所長、レンクフェルダー教授インタビュー 「フクシマはチェルノブイリよりも酷い」 2012-01-06
http://d.hatena.ne.jp/eisberg/20120106/1325834720
ドイツ、バイエルン州の環境団体、Bund Naturschutz in Bayern e.V.の会報誌「 Magazin Natur+Umwelt」2011年第3号に、オットー•フーク放射線研究所所長であるエドムント•レンクフェルダー教授のインタビューが掲載されている。主にチェルノブイリ事故に関する内容だが、フクシマ事故についても触れているので、紹介したい。
原文はこちら
http://www.bund-naturschutz.de/uploads/media/Interview_mit_Strahlenbiologe_Edmund_Lengfelder.pdf
昨年7月のインタビューなので、あくまでもその時点での見解ということになるが、その後事態は好転するどころか悪化しているのだから、充分に参考になる内容であると思う。
以下、全訳。
放射線生物学者レンクフェルダー氏によるフクシマ事故の影響に関する見解
「チェルノブイリよりも酷い」
チェルノブイリ事故の劇的な影響を熟知することにおいてエドムント•レンクフェルダー教授の右に出る者はいない。レンクフェルダー教授の最悪の懸念はフクシマ事故により事実となった。しかし、氏は核の危険はいまだに過小評価されていると考えている。ドイツ国内においても。放射線の専門家である同氏へのインタビューを当協会会報誌、「Natur + Umwelt」2011年第3号で簡単に紹介した。以下は、その2011年7月7日のマンフレッド•ゲースヴァルトによる同氏インタビューの詳細である。
チェルノブイリ事故による死者数は報告により非常に大きな差があります。あなたは長年、現地で活動されていますが、どの数字が正しいのでしょうか。
ヨーロッパで50年間に100万人を超える死者が出ると見て、非現実的ではないでしょう。ベラルーシのゴメリ州にある我々の甲状腺センターだけでもチェルノブイリ事故以来、16万人以上の患者を治療しており、センターの独自のデータから、事故後の最初の13年間でゴメリの子どもと青少年における甲状腺癌がそれまでの58倍に増加したことがわかっています。ドイツのバイエルン州でもチェルノブイリ事故が原因の甲状腺癌の明らかな増加をはっきりと示すデータがあります。
ゴメリの病院では何が起こっていますか。
我々は1993年より現地で西側諸国の専門クリニックの医療水準で甲状腺センターを運営しています。ゴメリ州南部はチェルノブイリ地方に隣接しており、そのかなりの部分が立ち入り禁止区域になっています。甲状腺癌による死者数は原発事故後、大きく増加しました。その上、乳がんや白血病などの他の腫瘍も増えています。
チェルノブイリ事故による死亡者で公表されていないのはどのような人達ですか。
例えば、チェルノブイリの原子炉で直接作業に従事されられた「リクビダートル」と呼ばれる人達の大部分は若い人ですが、彼ら80万人の人達のうち、すでにこれまでに10万人以上が亡くなっています。彼らの中には自殺した人が非常に多いです。若い被爆者が病気や社会における差別が原因で自ら命を絶ったなら、私は彼らもチェルノブイリの犠牲者であるとみなします。
生存しているリクビダートルは現在どのような状況にありますか。
リクビダートルの多くは若い兵士もしくは軍の専門家です。彼らは作業に従事した後、そのまま帰宅させられました。彼らのほとんどは、健康上の問題だけでなく、その後仕事を見つけ、私生活を取り戻すことに困難がありました。被爆者を雇用したり、結婚相手に選ぶ人がいるでしょうか?彼らの多くは利益団体を作って連帯しました。我々はロシア、ベラルーシそしてウクライナのリクビダートル連盟と連絡を取り合い、不明な事柄、たとえばリクビダートルにおける高い自殺率などについて実り多い議論をして来ました。
ドイツのバイエルン州でもチェルノブイリ事故の長期的影響をいまだに心配しなければなりませんか。
それはもちろんです!バイエルンの森の野生のイノシシは今でも1万ベクレル/kg以上汚染されているものがあるのです。これは有害廃棄物であって、食べ物ではありません。個人が採集するキノコには放射線測定の義務はありませんから、キノコを採る人は自分の健康に自分で責任を持たなければなりません。バイエルン東部ばかりではなく、アウグスブルクから西の地域も非常に重度に汚染されています。
市民はどこで放射能汚染についての情報を得たら良いのでしょうか。
オットー•フーク放射線研究所のHP、 http://www.ohsi.deではその他の多くの情報とともに南バイエルンの汚染地図を公表しています。セシウム汚染度が特に高い地域を知ることができます。
ドイツ国内のチェルノブイリ事故による癌増加について正確なデータはありますか。
そうした調査は難しいことが多いです。我々は甲状腺腫瘍を手術する病院に問い合わせましたが、データは得られていません。このテーマは医療関係者には「政治的な要素が濃過ぎる」のです。しかし、我々の推測を裏付けるデータをチェコ等から得ています。チェコでは、ドイツと異なり、成人の癌の国家登録が存在するのです。
チェコのデータからどんなことがわかりましたか。
調査結果は甲状腺癌が有意に増加したことを示しています。チェコの調査は対象となった患者数が多く、調査期間も長期に渡っているため、確実性の高い結果といえます。そして、バイエルン州における放射性ヨウ素汚染はチェコよりもずっと酷かったので、バイエルンで(調査はなされていないけれども)ずっと多くの甲状腺癌が発生したことは、我々も把握しています。
フクシマ事故に関する報道はメディアからほとんど消えてしまいました。現地に住む人びとには今後、どのような被曝の影響が出て来るのでしょうか。
チェルノブイリの影響を超える影響が出るだろうと危惧しています。理由は以下の3つからです。
日本の人口密度はチェルノブイリの20倍です。
フクシマでは4つの壊れた原子炉のそれぞれにチェルノブイリの10~40倍の量の放射性物質があり、メルトダウンは今も進行中です。
さらに、住民の避難が遅れ、またその範囲も充分ではありませんでした。日本政府の対応は当時のソ連よりも悪いです。
フクシマ大惨事の影響の規模はどのくらいでしょうか。
我々は事故から少しの後、原発から西へ約60kmにある都市、郡山市の放射線量データを得ました。それは毎時250マイクロシーベルトというものでした。比較のために述べると、ミュンヘンの通常の放射線量は毎時0.08マイクロシーベルトです。毎時250マイクロシーベルトというような放射線量が測定された場合、我々はそれをSuper-GAU(最大限のシビアアクシデント)が起こったとみなします。 Super-GAUとは、非常に大量の放射性物質が環境中に放出される状態のことを示します。郡山市はただちに住民を避難させなければなりませんでした。しかし、日本人は避難など夢にも思わなかったのです。
国民は意図的に騙されたのでしょうか。
そう考えて良いでしょう。日本政府は当初、事故を国際的事故評価尺度ので4と評価し、その後それを5に引き上げ、そして何週間も経った後で7と認めたのです。これは国民を騙したということです。我々は水素爆発が起こったのを目にし、4つの原子炉建屋内でメルトダウンが事実上起こっていました。メルトダウンは燃料が冷却されなくなったときに起こります。そして原子炉建屋があのように大きく破壊されてしまえば、冷却は不可能なのです。上から水をかけることはできても、下のどこかへ流れて行きますから、建屋の一階部分は間違いなく高い放射線量になっています。
首都圏の汚染はどの程度でしょうか。
長い間、放射性物質を含む気団は内陸部には達していないのだと報道されていました。しかし、最近になって、東京の南部のある地域で生産された茶葉が規制値を超えて汚染されていることがわかり、流通から外されることになりました。これは首都圏が汚染されてないということとは反対の事実を証明するものです。
東京に住む人達にはどんなアドバイスをされますか。たとえば、水道水を飲んでも大丈夫でしょうか。
私は日本では自分で放射線測定をしていませんから、ここで予測を出すことはできません。チェルノブイリでは20年来、様々なパートナーと一緒に活動し、信頼できる数値や測定値を得ています。日本には、我々が協力できる省庁や研究所がありません。これまでのところ、私は日本の誰をも信用することができません。何度も虚実の情報を受け取って来たからです。
東京電力に対しても批判的でいらっしゃいますね。
東京電力がいかに人権を無視し、無知な対応を取って来たか、そしてそれがいまだに続いていることは、作業員を特殊な防護装備なしで原子炉へ作業に行かせているのを見ればわかります。作業員にポリ袋をただ履かせただけで高放射性汚染水の中を歩かせているのです。
フクシマ作業員の健康状態についてはなにかわかっていますか。
残念ながらわかりません。彼らは公からは遮断されています。しかし、あの不十分な防護装備を見ただけで、最悪の状況を心配しなくてはなりません。
ドイツには津波の恐れはありませんが、原発事故のリスクは日本に比べれば小さいと見て良いでしょうか。
そういうことを言う人は、社会に広がった戯言を繰り返しているに過ぎません。たとえば、このようなシナリオがあります。テロリストがたとえば旧ユーゴスラヴィア領土で対戦車ミサイルを入手することは簡単です。それで2メートル以上の厚さの鉄筋コンクリートを破壊できます。たとえば、ミサイルでイザール原発1号機の使用済み燃料プールの横壁を壊せば、それだけでSuper-GAUが起こせるのです。飛行機の墜落によっても同様のことが起こるでしょう。地震も現実的な危険です。
ということは、イザール原発はすでに何ヶ月も前から停止中であるにも関わらず、危険だということですか。
もちろんです。燃料棒は依然としてそこにあり、冷却されなければなりません。冷却装置が止まればメルトダウンは避けられません。この危険は何年も続きます。停止されたすべての原発において同様の危険があります。
地震が来たらどんなことが起こるでしょうか。
非常に危険なのはたとえばビブリス原発の原子炉AとBです。この二つの原子炉はライングラーベン活断層の上に建てられています。1356年、つまり地質学的にみればほんの「昨日」、 地震によって荒廃したスイスのバーゼル市と同じ地質学的条件を持つのです。そのような巨大地震に対して原子力発電所は充分な安全性を持っていません。
バイエルンの他の4つの原発はあと何年間も稼働を続ける予定です。Super-Gau以外にはどんなリスクがありますか。
ドイツの原発周辺では子どもの癌や白血病が他の地域に比べて多いということがすでに科学的に明確になっています。これは放射線被曝によるもので、原発を見ただけで癌になるわけではありません。この恐ろしい確定事実と共に原発周辺の住民はこれからも長い間生きて行かなければならないのです。
(Eisberg 訳)
追記: インタビューで言及されているチェコにおける甲状腺癌増加については、オットー•フーク放射線研究所HP内に以下の英文論文が掲載されているので、詳しく知りたい方は参照してください。
Thyroid cancer has increased in the adult populations of countries moderately affected by Chernobyl fallout
http://www.ohsi.de/fileadmin/user_upload/Scherb_Tschech.pdf
追記
福島県南相馬市の子供たちはモルモットですか⇒旧避難準備区域の放射線量-文科省など(時事)&文科省放射線モニタリング情報
http://soba.txt-nifty.com/zatudan/2012/01/post-9214-2.html#top
里山で最大11マイクロシーベルト=旧避難準備区域の放射線量-文科省など
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201201/2012011300983&g=soc
文部科学省と環境省などは13日、東京電力福島第1原発事故を受けて、昨年9月末まで設定されていた緊急時避難準備区域にある福島県南相馬市の里山などの空間放射線量が、最大で毎時11マイクロシーベルトだったと発表した。
同市原町区と小高区の生活圏にある里山など4カ所を無人ヘリコプターで測定。地表から高さ50センチの最大値は毎時11マイクロシーベルト、同1メートルでは最大で毎時10.9マイクロシーベルトだった。(2012/01/13-20:15)
by oninomae | 2012-01-11 19:19 | 放射能・ラジオハザード