小出裕章が「40年で廃炉方針」を批判 「老朽化なんてこととは全く関係なく、事故は起きる」1/9
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65784721.html
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺います。小出さんこんばんは」 小出「こんばんは」 水野「よろしくおねがいしますー」 平野「あっ、あのー、平野です。明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします」 小出「あっ、おめでとうございます。平野さん、よろしくおねがいします」 水野「そうですね」 小出「はい」 水野「えー…小出さん」 小出「はい」
水野「今。ニュースで聞いていただいたかと思いますけども」
小出「はい」
水野「原発の是非を住民投票で問いたいとする」
小出「はい」
水野「署名活動」
小出「はい」
水野「これが、必要な署名の数が集まったというふうに市民グループが今日発表いたしました」
小出「はい」
水野「これについてどんな感想をお持ちでしょう」
小出「良かったと思います」
水野「ああー」
小出「はい。」
水野「はい」
小出「まあ、余りにも政治がひどい、わけですから。政治にはもうまかして…おけない。え…自分たちで決定したいと、え…みなさんが思われた、のだと思いますし。え…私は、もともと一人ひとりが、者を考えてくださいとみなさんにお願いしてきましたし」
水野「ええ」
小出「えー…、こういう条例ができることを私は願います」
水野「んー。これからまた、あの、いくつか議会に通してと」
小出「(苦笑)そうですね、まだまだ」
水野「いうような感じが」
小出「はい、そうですね」
水野「ありますけども。ええ。あのまずは第一歩が」
小出「はい」
水野「踏み出せるということに市民グループとしてはなったと」
小出「はい」
水野「いうことですね」
小出「はい」
水野「はい。そしてですね。次に伺いたいのは、あのー、原発の稼働40年とする。で、40年経ったらおしまいにする、廃炉にすると、いうことを法で決めますと、いう方針を細野原発大臣が発表いたしました」
小出「はい」
水野「で、国が原発の運転の期間を法で定めるのは、これが初めてということ、なんですね」
小出「はい」
水野「ただこれ、例外で、延長もありうるんだというふうに文言がついております。」
小出「だそうですね」
水野「ええ。これについては小出さんはどんなふうに見ていらっしゃいますか」
小出「えー…私は…もうこの番組でもなんども聞いていただきましたけれども。全ての原子力発電所を、即刻止めるべきだと、言ってきたわけで」
水野「はい」
小出「え…40年経ったからとめろとか、30年でとめろとか。え……そういうふうに言ってきたつもりは、ありません」
水野「はい」
小出「新しく動き始めた原子力発電所でも全て止めなければいけないと、私は言ってきたわけですから。政府が40年で止める、それも例外を認めるなんて話はですね、私から見ればもう言語道断なことだと思います」
水野「はあー……」
平野「ふんふん。」
水野「あのー、この…例外はね、じゃ、どんなふうに認めるというふうに、ま、今、言ってるのかといいますとね」
小出「はい」
水野「え…電力事業者から申請があったとき、はですね、え…施設自体の老朽化…と、施設を保全できる技術的能力について審査をして、問題がない限り延長を、承認する、ということなんですね」
小出「はい」
水野「で、これ…あの、小出先生からご覧になったら、まあ、小出先生はもう大前提からしておかしいというお考えでは」
小出「そうです」
水野「ありますが」
小出「はい」
水野「本当にこういうことの法…的にね、GOしたときにですよ。え…審査する基準は施設自体が老朽化してないか、そして、え…施設をちゃんとやっていける技術的能力があるかどうか。それで問題がなかったら、っていう、前提なんです。これはどれくらい科学的なものなんですか」
小出「え…福島第一原子力発電所に対しても、国は厳重な安全審査をして、東京電力に技術的な能力がある、老朽化の問題もない、といってお墨付きを与えながらきて、事故になっている、のです」
水野「そうか…はい」
小出「それをいまさらまた偉そうに、国が審査をして安全であることを認めてやるというようなこと言ってるわけで。まずはあなたたちに、全てやめたほうがいいんじゃないですかと私は言いたくなります。」
水野「うーん…。あの、これ逆に言うと……ザル法といいますかね」
小出「はい」
水野「あの、例外規定もありますので」
小出「はい」
水野「意味がなさないというようなおそれもあるんじゃないかと」
小出「私から見ればそうですけれども。まあ40年という年限を切ったということが、まあ、みなさんにとっては、真新しく見えるかもしれませんし、まあそれなりの1つのステップを踏んだということは確かにあるとは、思います。でも本当はそんなことではないんだということを、あの、みなさんに分かって欲しいのです」
平野「そうですねえ」
小出「はい」
平野「先生あの、美浜の関電の1号機とか、敦賀の日本原電の1号機の、これもう41年」
小出「そうです」
平野「なってるわけですよねえ。」
小出「そうです(※聞き取れず)」
平野「だから40年と本当に切ってやる気があるんであれば、これはもう、先生の先ほど言われた即刻」
小出「そうです」
平野「あの…廃炉ですよね」
小出「そうです」
平野「で、それをやる、なんか覚悟みたいなものがまったくこう、無さそうですし」
小出「はい。また、なんか例外で、生き延びさせようというふうにしてるんだろうなと思いました」
平野「だからまあ逆に言うとまあ再稼働への地ならしみたいな」
小出「はい」
平野「あの…延長容認でですね」
小出「はい」
平野「やる、なんか気配が濃厚ですよね」
小出「そうですね。」
水野「これだって新しい原発も作れそうに、読めますが」
小出「もちろんですねえ」
平野「ええ、まあまあそうですね」
小出「40年間つく…動かしていいよというそういう宣言をしているわけですね」
水野「うーん。今まででもう30年経ったら、10年ごとに運転の延長を国に申請して寿命を伸ばしてきたんですよね。」
小出「はい」
水野「で、これ、法律では決められてはいなかったけど」
小出「はい」
水野「現行はそうだったんですね」
小出「はい」
水野「……ということはなんか逆に30年で申請しなくて、40年まで申請しなくてもいいというふうに私は(笑)、素人ながら読んだんですけど」
小出「まあ…どんなふうにも読めるだろうし、え、国のほうがどんなふうに運用しようと思うかによってすべてが決まってしまうということだと思います」
水野「うーん…。それからこの老朽化ということのメカニズムについて伺いたいんですけどね」
小出「はい」
水野「あの、福島第一原発では運転40年が経過して1号機…」
小出「はい」
水野「の建屋吹っ飛びましたよね」
小出「はい」
水野「水素爆発で」
小出「はい」
水野「しかしながら、東電や保安院は、あの、こう言ってます。老朽化で事故が拡大したというような影響はなかったと」
小出「はい」
水野「いうんですね」
小出「はい」
水野「その、原発ってのは老朽化してもやりよう次第で安全を確保できるんですか」
小出「…えー……、ん、事故というものは、老朽化によって起きる事故もあるし」
水野「もあるんですか」
小出「はい。あの、老朽化とも全く関係なく起きる事故も、あるわけですね」
水野「あっ、はい」
小出「例えば。え……人間が遭遇した最大の原子力発電所事故はチェルノブイリ原子力発電所の事故、でしたけれども。あの原子炉はソ連きっての最新鋭の原子力発電所で、2年しか運転していませんでした」
水野「2年でしたか」
小出「はい。で…チェ…その前には米国のスリーマイル島の原子力発電所が事故を起こしたのですが。あの原子力発電所は動き始めて3ヶ月でした(苦笑)。」
水野「…三ヶ月……」
小出「はい。ですから別に老朽化なんてこととは全く関係なく、事故は起きる、のです」
水野「はい」
小出「で…そうではなくて老朽化が原因で起きるということもありまして。え…例えば美浜3号機で、」
平野「ふむふむ」
小出「え……2次系の、配管が…破断して…」
水野「はい」
小出「5人の作業員が熱湯を浴びて死ぬというようなことがありました」
水野「はい」
小出「…けれども、アレは、あの…まさに老朽化。え…パイプが、あの…削り取られていって破断をしたということ、でした」
水野「何で削り取られるんですか?」
小出「えーと、これはですね、大変難しいんですけれども」
水野「あ、すいません」
小出「あの…流量を測るためのオリフィスという、そういう測定器があるのですが。そのオリフィスの下流に、冷却水が…渦を巻くんですね。で、その、渦を巻くことによって、え…配管が、まあ、炭素鋼ですけれども、それがあの削り取られていって。えー、どんどんどんどん薄くなっていって、ある時点で耐えられなくなって敗れたというのがあの事故」
水野「はあーー」
小出「でした。ですからそれはまさに、あの、年月の戦いだった…のですけれども。まともな検査もしていなか…いないまま、その…破れるにまかせてしまったという、そういう事故でした」
平野「うん…」
水野「そうか事故はあたらしくても起こるし」
小出「はい」
水野「古くてもまた違う意味でまた起こると。」
小出「そうです。」
水野「はあ」
小出「え…福島第一の場合に老朽化という問題がどこまで、寄与したかということは、え、今のところよく分かりませんし。え、残念ながらそれを調べることもできない」
水野「できないですか?」
小出「ようするに近づくことがもうできませんので。事故原因も調べることもできません…できないというそういう状態になっていますので。え…福島に関しては多分わからないまま行くだろうと思います」
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水野「はあ…。それからもう1つ伺いたいんですが」
小出「はい」
水野「あの……これは福島第一原発の事故の2週間あとの段階で、」
小出「はい」
水野「え…政府が想定してた最悪のシナリオ、というものが今になって明らかになってきました」
小出「はい」
水野「で、これはですね。4号機の使用済み核燃料のプール、の中にある燃料が融けるということを想定、したんだそうです」
小出「はい」
水野「で、最悪の場合どういうことが起こるかといいますと…。え……。まあ、住民で希望する人たちがいたら移転を認めるべきだという地域は、どこまでかというのが、半径250キロの外側まで、発生する可能性があるというんですね」
小出「はい」
水野「で、250キロというとどこかというと…え……横浜、あたりになります」
小出「はい」
水野「つまり、東京も含めて首都圏の、多くの地域から、ま、避難が必要…であると、いう事態を政府が想定していたと。」
小出「はい」
水野「いう話が出て、来ました」
小出「はい」
水野「で、え……わたくし思い出したんですが、小出先生は確か、4号機というのは、あの…未だ色々心配なことがあるんだよとおっしゃった、時があったかと思うんですね」
小出「そうです」
水野「4号機のプールというのは今、どういう状況なんですか」
小出「え…使用済みの燃料プールというのは、放射能を閉じ込める最後の防壁である格納容器という容器のさらに外側にある、のですね」
水野「はい」
小出「え…つまり放射能を閉じ込めるという防壁に関していえば何も無いという場所に使用済燃料プールがある」
平野「うん」
水野「はい」
小出「のです。そしてそのプールの中に、4号機の場合には、え…原子炉の中に通常入っている燃料の、え、2倍あるいは3倍分ぐらいの使用済みの燃料はたまっている…」
水野「はー…はい」
小出「のです」
水野「2倍、3倍たまっている、はい」
小出「はい。そして、4号機というあの建物はですね、水素爆発でやはり吹き飛んでいるのですけれども。」
水野「はい」
小出「4号機の場合の水素爆発は、非常に変わった形で起きていまして…」
水野「おん」
小出「え……1号機も3号機もオペレーションフロアーと私が、私たちが呼ぶ、最上階の部分で爆発が起きて」
水野「ええ」
小出「はい。いわゆるまあ体育館のようなどん長の部分が吹き飛んでいる、のですが」
水野「はい」
平野「ふむ」
小出「4号機だけはそうではないのです。そのどん長の部分も吹き飛んでいるし、さらにその下の、1階、さらにまたもっと下のもう1階分ぐらいのところの建屋が爆発で吹き飛んでいる、のです。実はだからそこに使用済燃料プールが埋めこまれている場所というところが、すでに爆発で破壊されてしまっているわけで。え……いつ、使用済燃料プールが崩壊してしまうかがわからないという、そういう状態が3月15日でしたでしょうか」
水野「ええ」
小出「4号機の爆発以降ずうっと続いている、のです」
水野「え、今も続いてるってことですね」
小出「続いているのです」
水野「その、プールが崩壊の危機にさらされている状況は今も続いているんですね」
小出「はい。ただし、東京電力ももちろんそのことの重大性に気がついていまして」
水野「ええ」
小出「えー4号機の使用済燃料プールをとにかく崩壊から守ろうとして、え…耐震補強工事というのをやったのです」
平野「うん」
水野「はい」
小出「はい。え……でも、え……余りにもひどい、ようするに作業環境で、工事を行ってきている、わけだし、それしかできないわけで。ゆっくりゆっくりその、きちっとした工事をするというようなことが、実際上はできないような現場なんですね」
水野「ええ」
小出「そこででも東京電力は苦闘しながらやったとは言っているわけですけれども、これからまだまだ余震も来るでしょうし。次に大きな余震が来たときに4号機の使用済み燃料プールが、本当に壊れないんだろうかということが私は不安なの、です」
平野「ふむ」
水野「はい……」
小出「もし壊れてしまえば、その、政府が3月15日のころに、予想したように、250キロというようなところも、膨大な汚染を受けるようなことになると思います」
水野「はあ…そういう不安な状況が今も続いていると、認識しなきゃいけないんですね」
小出「そうなのです」
水野「はい……ありがとうございました」
小出「はい」
平野「どうもありがとうございました」
小出「ありがとうございました」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章先生に伺いました」
=====(文字おこし、ここまで)
by oninomae | 2012-01-10 20:38 | 放射能・ラジオハザード