チェルノブイリ小児病棟〜5年目の報告 4&5 + 奇っ怪な「科学」者
2011年06月12日14:11
白血病で死亡した男児の、妹の染色体も損傷……チェルノブイリ小児病棟〜5年目の報告〜【動画&文字おこし4】
http://www.youtube.com/watch?v=zRMV5ZRytkA&feature=player_embedded

チェルノブイリ事故の5年後を記したドキュメンタリー「チェルノブイリ小児病棟~5年目の報告~」を文字に起こしていく。第4回目は、被曝と発病の因果関係の究明。子供たちの血液を持ち帰り、広島大学て遺伝子を分析。その結果、遺伝子異常が発見された。
(文字おこし、続き)
なぜ子供達の白血病が増えたのか、3人の広島の医師達は、さかのぼって過去15年分の子供達のカルテを調べることにしました。
白血病は広島長崎の被爆者や放射線業務の従事者に多いことから、放射線の影響によっても発病すると考えられています。
しかし、その因果関係は明らかではありません。
カルテの中に、これまではみられなかった特異的な4つの症例がみつかりました。
いずれも白血球の増殖がきわめて速く、治療が追いつかないまま死亡したケースです。4人とも、避難対象となっている高濃度汚染地帯に住んでいました。
【広島大学原医研 小熊信夫助教授】
「最近あのー、まれなケースが少し経験され、あのこれは4例ですけれど、そういったのがひょっとしたら、あの放射能の影響かもしれないということで、ちょっと僕ら今日カルテ見たんですが、先生も、それこうお考えだろうと思うんですけど。」
【小児血液病科 シュミーヒナ・タチアナ部長】「放射能との関係ははっきりしませんが、推測することは可能です。具体的には、今年の3月に亡くなったビクトル君の例をお話しましょう。」
「この子はホイニキという町で育ちましたが、そこはかなり放射能汚染が激しい地域です。ビクトル君の白血病は病状の悪化が驚くほど速くて、しかも、肝臓も脾臓もリンパ節も急激に腫れていきました。その上、中枢神経にもがん細胞が入り込んでいました。」
「こうした白血病はめったに見られないタイプのものです。やはり放射能の影響があったのではないかと、私は考えています。」

ゼベノク・ビクトル君のカルテです。

ビクトル君が急性白血病で死亡したのは今年の3月、11歳でした。2月中旬、ビクトル君は突然胃の痛みを訴えました。地元ホインクの病院でみてもらったところ、白血球の数は正常で軽い貧血症と診断されました。
8日後、突然高熱が出て、ボメリ州立病院で検査が行われました。
この時はじめて白血球が増加していることがわかりました。
すぐに抗がん剤が投与されましたが効果はなく、わずか2週間で白血球は健康な人の10倍になりました。
白血病の進行とともに、肝臓、腎臓、脾臓などが腫れ、ビクトル君は3月3日、肺出血が原因で死亡しました。

発病からわずか20日後のことでした。
【広島大学原医研 小熊信夫助教授】
「興味を持った点はですね、むこうのドクターも言っておられましたけれど、読んでいるほど進行の速い白血病、僕らはよくアグレッシブという言葉を使うんですけれども、いや非常に進行の速い白血病を経験したと言うことで、ひょっとしたらこういう風に放射能に影響したあのー、白血病というのは、こういうような、印象的には非常に特徴のあるですね、白血病の経過をとるのかもしれない。ま、これは印象だけで、今後まあこういう点についてですね、細かくあのー、分析をその目で注意しておかなければいけないと、まあ考えております。」
広島の医師達は、ビクトル君が育ったホイニキを訪ねました。


【ホイニキ】
ホイニキはチェルノブイリから北へ70キロ、1平方キロメートルあたり5キュリーから15キュリーの汚染地帯です。しかも町のあちこちに局地的に非常に汚染された地域があります。いわゆるホットスポットです。
ホットスポットではチェルノブイリの周辺と同じレベルの値を示すことがあります。
しかし、それがどこにあるのか、市民にはわかりません。ホイニキの町が放射能で汚染されていることがわかったのは、事故から3年も経ったあとのことでした。

佐藤教授はビクトル君が暮らしていたアパートの周辺の放射線量の測定を行いました。
「あ、0.32になった。0.33。0.33っていうと・・。」
「かなり強いですか、これは?」

「んー、そうですねあのー、ここにいたらすぐに危険が起こるという事じゃないけど、広島のあの、6倍くらいになりますかね。・・・0.06・・、5,6倍。」
小熊助教授はビクトル君の家を訪ねました。ビクトル君は両親、そして4つ年下の妹とともにこのアパートで暮らしていました。
【母 フィリポナさん】
ビクトル君の家族は3年前、母親のふるさとであるホイニキに引っ越してきました。

【ユーリアちゃん (7)】
小熊助教授は妹のユーリアちゃんの健康を心配しています。
ビクトル君の白血病が放射能の影響だとすれば、同じ環境で暮らしてきた妹にも影響が出ていると考えられるからです。
「娘のことがとても心配です。」
「胆のう炎とリンパ節肥大があるんです。」
「娘のためにすぐ移住するよう医者に言われました。」
「少しリンパ腺が腫れていますね。これは。」
診察の結果ユーリアちゃんは軽い貧血症でした。
さらに頚や脇の下など6カ所のリンパ節が腫れているのがわかりました。
小熊助教授は両親の許可を得て、ユーリアちゃんの血液を採取しました。
持ち帰って染色体の検査をするためです。
「はい、ぐっとおさえておいてね」
「終わったわ良い子だったね」
「きっと検査は大丈夫よ」
【広島】

【広島大学原爆放射能医学研究所】
広島に帰った小熊助教授は早速血液の染色体検査にとりかかりました。
持ち帰ったのはビクトル君の妹ユーリアちゃんと、集団検診の時に採取した8人の血液です。血液から白血球をとりだし、細胞の標本を作ります。
細胞の核の中には遺伝を司る46本の染色体があります。
染色体は放射線によって傷つきやすいことがわかっています。
その一本一本について、傷があるかどうかを調べていきます。染色体検査の結果8人のうち3人から異常がみつかりました。

これはビクトル君の妹、ユーリアちゃんの染色体です。ユーリアちゃんからも異常がみつかりました。

3番の染色体の一部分が欠けています。

これが3番からちぎれた染色体です。

この子供は10番の染色体が切れていました。この子の妹は現在白血病で入院しています。
いずれの場合も今すぐ障害が出ることはありませんが、将来なんらかの要因が加わってがんなどを引き起こす可能性があります。
http://blog.livedoor.jp/amenohimoharenohimo/archives/65742791.html
2011年06月12日18:07
被曝した妊婦の奇形児発生率4倍以上。特に「水頭症」…チェルノブイリ小児病棟〜5年目の報告〜【動画&文字おこし5・最終回】
http://www.youtube.com/watch?v=YiFF7ThxMTQ&feature=player_embedded
チェルノブイリ事故の5年後を記したドキュメンタリー「チェルノブイリ小児病棟~5年目の報告~」を文字に起こしていく。最終回の第5回目は、被曝と奇形の関係。被爆地の病院の報告では、事故後の奇形児の発生率は、4倍以上になっている。にもかかわらず、IAEAは、その因果関係を認めていないと報告を出した。広島大学原医研の佐藤幸男教授の当時の意見を伝えている。チェルノブイリ事故と広島の被曝被害は酷似している。 生まれる前の流産死産、生まれた後の奇形、特に水頭症(wikipedia「水頭症」)、成長した後の甲状腺癌、成人してからの白血病、そして、後世に残る遺伝的影響について警鐘を鳴らしている。
(文字おこし、続き)
【広島大学原医研 小熊信夫助教授】
「この中にあの二人ほど、兄弟が、あの、白血病の方がいらっしゃいまして、特にその二人のお子さんに注目していろいろ調べてみましたら、二人ともですね、染色体異常が安定型の染色体異常というのがあの、認められたわけですね。」
「これは勿論あの、非常に放射能の量としたら1ラド以下で非常に少ない事なんですが、まあこれくらいの子供さんなんで、こういう安定型異常がみられるということはですね、過去におそらく放射能の影響でですね、こういうあのDNAの傷がついたというまあ、証拠にはなると思うんですね。」 (引用注:1 rad = 10 mGy)

【ゴメリ州立病院】
ゴメリ州立病院の産婦人科病棟です。ゴメリ州で一番の近代的な設備を持つこの病院には周辺の町や村からも出産をひかえた女性達が集まっています。
事故の前まではここで年間3000人あまりの新生児が産まれていました。しかし親たちが放射能の影響を恐れて、去年は出産数がおよそ半分に減りました。
新生児の健康状態は注意深く観察されています。
異変は産まれる前の胎児におきていました。妊婦達は出産前に必ず超音波検査を受けます。この日、高濃度汚染地帯の町ベトカから来た女性が検査を受けていました。
「脳に異常がある」

「水頭症だ。」
「脳のまわりの水が多すぎる。」
胎児に異常が見つかりました。頭部に脳脊髄液が溜まる水頭症です。頭部は肥大し、健康な胎児の倍の大きさになっています。放射線は細胞分裂が盛んな胎児の脳に大きな影響を与えると言われています。
この女性はただちに人工流産の処置を受けることになりました。
初めての妊娠で、7ヶ月目でした。

「これはチェルノブイリ事故の影響だと思います。」
「とても くやしい」
「事故さえなければ健康なこどもが生まれたはずです」
【産婦人科 アナトリー・ワシーリエツ部長】
「産婦人科医として注目しているのは、胎児の先天性異常はたくさんみつかるようになったという事実です。私たちは病院のカルテを調べてみましたが、胎児の先天性異常、つまり奇形児が、チェルノブイリ事故の前にくらべて事故後2倍以上に増えていることがわかりました。妊娠異常と出産異常はあきらかに増えています。」

【奇形児の発生率】
ゴメリ州の3つの病院の奇形児の発生率です。緑が事故の前の5年間、赤が事故の後の5年間のデータです。ゴメリとブラーギンでは4倍、ベトカでは事故の前の10倍に増加しています。特に目立って増えているのが水頭症です。水頭症の胎児は死産が多く、生まれても正常に育つ可能性はほとんどありません。
汚染地帯の病院では、奇形がわかると人工流産を奨めています。
手術は翌日の夜行われました。
彼女は2年前、汚染されていることを知らずにベトカに嫁いできました。政府から新しい住宅をもらって、安全な場所に移住することが彼女の希望でした。
【産婦人科 アナトリー・ワシーリエツ部長】
「長い間この仕事をしてきましたが、こういう手術はうまくいっても、気分の良いものではありません。母親にとって、本当に健康な子供が生まれてくることは喜びです。しかし今回は不幸な結果となりました。」
「医師として実に複雑な心境です。私たちは子供の命を救うことが使命なのに。一方ではその逆のことをしなくてはならないのですから。彼女には将来、健康な子供を産んでいい母親になって欲しい。そう祈っています。」
佐藤教授は産婦人科のアナトリー部長の立ち会いのもと、水頭症の胎児の解剖を(※映像は乱れのため文字起こしできず)
「それと、左の腎臓に水腫が、小さいのがありました。あのー、まあ、骨が弱いから出産の途中でだいぶ脳の中に出血して、超音波でみた時はあの、透明なクールだったと思いますけれども、」
「あの、血餅っていうか、血のかたまりのような状態。」
「放射線との関係の、どのようにみられますか。」
「この個体自身は広島でも経験する脳水腫で、解剖によってそれがわかるわけじゃけしてないんですけれども、ただ、母親が高汚染地帯からきてますんで、あの、こういう症例がずっと、特に脳水腫が多いという話なので、あの、そう言う症例が積み重なっていくと、原因ははっきりしてくると思うんですけど。」
今年5月チェルノブイリ事故の影響について、一つの報告書が出されました。

国際チェルノブイリ経過調査報告書。IAEA国際原子力機関がソビエト政府の依頼を受けてまとめたものです。英文で1000ページを超えるこの報告書はこう結論づけています。


「放射線被曝に直接起因するとみられる健康障害はなかった。今後大規模な疫学調査をしても、がんや遺伝的影響が放射線によるものかどうか見分けることは困難である。」
この報告書は白ロシア共和国の医師の間に波紋を巻き起こしました。
事故の後、小児病棟でおきている異変、その現実はどう説明できるのか。
被爆した放射線量をはじめ、汚染地帯の病気の発生率など、あらゆるデータが不足しています。
広島の医師達は、放射線の影響については長期間にわたる追跡調査が必要だと考えています。
【広島大学原医研 佐藤幸男教授】
「まあ放射線の影響っていうのは、あの、先ほどあらゆる病気を起こすって言いましたけれども、人生のこう、生まれて死ぬまでの流れの中で考えてみますとですね、」
「あの、まずはじめに、妊娠した婦人が被爆すると胎児の流産死産がおこると。」
「で、そういうそのー、障害を乗り越えてきた子供が次に奇形になると。」
「で、それも乗り越えた子供がようやく正常になる。」
「で、生き延びると、たとえばここの例ですと、甲状腺がんというのがあると。あるいは、小児の白血病があると。」
「でー、それをすぎるとまた今度、大人の白血病、で、今の話はチェルノブイリと広島を一緒にした話ですけれども、次は大人の固形がんという肝臓がん、胃がんというのがある。」
「でー、最後には寿命がどうかっていう問題ですね。広島の被爆者の場合は今いろいろ健診制度が高まっているんで寿命が延びているって言うデータもありますけれども、普通そういう障害、放射線の障害があると寿命が縮む可能性がある。」
「で、次はそのー、次の世代への影響で、遺伝的な影響がある。で、広島では遺伝的影響ってのは今んとこ、ま、見つかっていないというか、見つけられていないというか。しかし100%何もないと言うことはけっして断言できない。」
「そういうふうにずーっと見るとですね、これはあのー、単なる一回の検診とかですね、1度の調査、あるいは一部の集団のその検査で、正常だってのはとても言えない。それはもう、ほんっとにこれでもか、これでもかと、いろいろなことを繰り返して、」
「それでもそのー、けっして、あの、全く心配ないことは、とても言い切れるものではない。でー、そのための、非常に多くのですね、ま、努力って言うか積み重ねって言うか、そういうことが必要だと。そういうことを非常に実感しました。」
白血病のユーリアちゃんは、繰り返し投与された抗がん剤の副作用に苦しんでいます。
身体に発疹が出て、高熱が続いています。しかし抗がん剤は当分の間、やめることはできません。
「38度4分です。」
「いつになったらよくなるのでしょう・・・」
「いつこの苦しみが終わるのでしょう・・・」
ユーリアちゃんを抱いて病院に来てから半年が過ぎました。ユーリアちゃんは身体の抵抗力が極端に低下しました。
感染を防ぐため、ユーリアちゃんはこの日、隔離室に移されました。
チェルノブイリ原発事故から5年、小児病棟の子供達は今、消えることのない放射能の脅威を訴えています。
【チェルノブイリ小児病棟~5年目の報告~】
(文字おこし、完)
おまけ
線量限度50mSvのリスクはゼロ 大阪大学名誉教授・近畿大学原子力研究所特別研究員 近藤宗平
http://homepage3.nifty.com/anshin-kagaku/sub060114hobutsu2000_kondo.html
50mSv被ばくのリスクはゼロだ
チェルノブイリ事故で、ベラルーシ国のゴメリ地区は放射性降下物で大量に汚染を受けた(~600kBq/m2*)。 累積被ばく量は約50mSvと推定されている。しかし、小児白血病年間発生率は汚染の後で増加しなかった。これは40万人の小児の登録制度に基づくもので、大変精度が高い疫学調査であるから、「50mSv被ぱくによる小児(O~15才)の白血病リスクはゼロだ」、という確証がえられたことになる。 (*引用注:~60万Bq/平方m)
(引用者:「チェルノブイリ小児病棟〜5年目の報告」と照らし合わせてみると、とても奇妙な「科学」であるように思われる)

(果たして、ゴメリ州立病院の小児白血病患者は、みな他所からやってきたとでもいうのだろうか?)
また、以下も参照

the rates at which various diseases occurred among the juvenile population of Gomel Province in Belarus from 1985-1997
http://www.tinyrevolution.com/mt/archives/003524.html
http://www.nyas.org/publications/annals/Detail.aspx?cid=f3f3bd16-51ba-4d7b-a086-753f44b3bfc1

チェルノブイリ・百万人の犠牲者
http://satehate.exblog.jp/17031618/
近藤: 広島で原爆爆心から2㎞で被ばくした人は約50mSv被ばくした。 このような被ばく者の一人Kさんは、半身の原爆熱線でおおやけどしたが、93才の天寿を全うした。50mSv前後の被ばくで天寿を全うした人の数は非常に多いという間証拠がある。50mSvのリスクはゼロである証拠である。
(引用者:高齢者となるまで生き延びた人たちは確かにいるが、彼らのみを挙げて、リスクゼロとはどういう「科学」なのだろうか?それだけで、リスクゼロなど、まじめな科学者なら言えるわけがない。遺伝素質的あるいは栄養的に耐性の強い人もいただろうが、おおむね遺伝子損傷ロシアン・ルーレットにおいて、致命的遺伝子損傷を免れた運のよかった人が生き延びただけではないのだろうか。重要な遺伝子が壊れて早死にしていった人間たちはどこに考慮されているのだろうか?奇っ怪な「科学」である)
cherry picking
福島のイノシシ摂取制限=規制値の29倍超すセシウム-政府
http://www.jiji.com/jc/eqa?g=eqa&k=2011112500905
政府は25日、福島県の二本松市など8市町村で捕獲されたイノシシの肉の摂取制限と出荷停止を県知事に指示した。二本松市のイノシシ肉から、食品衛生法の暫定規制値(1キロ当たり500ベクレル)の29倍を超える1万4600ベクレルの放射性セシウムが検出されたため。
政府はまた、茨城、栃木両県の一部地域でもイノシシ肉から規制値を超えるセシウムが検出されているため、出荷停止を指示する方向で検討している。(2011/11/25-20:29)
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いままで出荷していた?
by oninomae | 2011-11-26 06:05 | 放射能・ラジオハザード