人気ブログランキング |

北極の「最後の審判の日・種子貯蔵庫」 By F. William Engdahl 2


北極の「最後の審判の日・種子貯蔵庫」 By F. William Engdahl
"Doomsday Seed Vault" in the Arctic Bill Gates, Rockefeller and the GMO giants know something we don’t
By F. William Engdahl (globalresearch.ca) 2007年12月4日 翻訳:為清勝彦 Japanese translation by Katsuhiko Tamekiyo
http://tamekiyo.com/documents/W_Engdahl/doomsday.html その2


次の標的地アフリカに集うロックフェラー&ゲイツ財団

1950年代のロックフェラー財団の「緑の革命」の歴史をしっかりと頭に入れた上で考えると、そのロックフェラー財団が、今度はゲイツ財団と一緒に、何百万ドルも投資して、「最後の審判の日」に備えてあらゆる種子を保存しようとしており、また、「アフリカの緑の革命のための同盟(AGRA)」というプロジェクトにも何百万ドルも投資していることは、実に興味をそそられることである。

AGRAは、またしても「遺伝子革命」を生み出したのと同じロックフェラー財団と連携している。AGRAの役員メンバーを見ると確認できる。

その会長は、他の誰でもない、元国連事務総長のコフィ・アナンである。2007年6月、南アフリカのケープタウンでの世界経済フォーラムのイベントでの就任演説で、「私は、ロックフェラー財団、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、そして我々のアフリカのキャンペーンを支持するすべての人に感謝して、この挑戦を受け入れる」とアナンは述べている。さらにAGRAの役員には、南アフリカ人のStrive Masiyiwa(ロックフェラー財団の理事)、ビル&メリンダ・ゲイツ財団のSylvia M. Mathews、元世界銀行の役員 (2000 - 2006)のMamphela Ramphele、ゲイツ財団のRajiv J. Shah、ロックフェラー財団のNadya K. Shmavonian、ゲイツ財団のRoy Steinerもいる。また、AGRAの提携者には、ロックフェラー財団の役員(Managing Director)のGary Toenniessen、同じく役員(Associate Director)のAkinwumi Adesinaがいる。

更に陣容を整えるために、AGRAの事業には、ロックフェラー財団の役員(Managing Director)のPeter Matlon、同じく役員(Associate Director)のJoseph De Vries(アフリカの種子システム事業責任者、Akinwumi Adesina(前出)がいる。昔インドやメキシコで失敗した「緑の革命」と同様、アフリカの新しい「緑の革命」も明らかにロックフェラー財団の高い優先順位にある

現在までのところ、モンサントなど巨大GMOアグリビジネス企業は目立たないようにつつましい姿勢を保っているが、これらの企業こそがコフィ・アナンのAGRAの核心におり、GMO種子をアフリカ全域に拡散する心算であると考えられている。その際には、「バイオテクノロジー」という遠回しな表現の欺瞞的ラベルで遺伝子組み換え特許種子を普及させることになる。現在のところ、アフリカでGMO作物の栽培が法律で認められているのは、南アフリカ一国である。2003年に、ブルキナファソ(西アフリカにある国)がGMOの試験を認可している。2005年には、コフィ・アナンの出身地ガーナが、バイオ安全の法律案を作成し、要人がGMO作物の研究を行う意向を表明している。

アフリカは、米国政府のGMO世界拡散キャンペーンの次の標的なのだ。アフリカの肥沃な土壌を考えると、理想的な候補地である。GMOをアフリカの農業に導入することを狙って、たくさんの遺伝子組み換え・バイオ安全プロジェクトがアフリカで開始されている中、多くのアフリカ諸国がGMOの推進者が最悪な事態をもたらすのではないかと疑うのは無理からぬことだ。そのプロジェクトとは、米国でアフリカの科学者に遺伝子組み換えの訓練をするという米国政府主催のプログラム、USAIDと世界銀行が資金を出しているバイオ安全プロジェクト、アフリカ原産の農作物を対象にしたGMO研究などである。

これまで何年も、ロックフェラー財団は、アフリカの畑にGMOを導入しようと、数々のプロジェクトを推進してきたが、多くはうまくいっていない。南アフリカのMakhathini Flatsでは、GMO綿の適応性を支持する研究を支援した。

南アフリカの種子業界(GMO、交配種子の双方)に強い足場を持つモンサントは、小規模農家向けの「希望の種子キャンペーン」という気の利いた名前のプログラムを思いついた。これは、小規模で貧しい農家に「緑の革命」パッケージを導入するもので、もちろん、後でモンサントのGMO特許種子がやってくるという構想だ。 【脚注6】

「GMO黙示録の四騎手」の一社、スイスのシンジェンタAGは、何百万ドルもの資金をナイロビの温室設備に投じて、害虫耐性のGMOトウモロコシを開発している。シンジェンタも、CGIARの一部である。【脚注7】


多様性を破壊しながら、多様性を保護?

こうして見てくると、スバールバルは、単なる気まぐれだと言えるだろうか? 何のために、ゲイツ財団とロックフェラー財団は、一体になり時を同じくして、特許化種子(これはやがてターミネータ=自殺種子になる)をアフリカ全域に拡散させ、そして、地球上の他の地域でもそうであったように、単一栽培の工業的なアグリビジネスを導入することで、多様な植物品種の種子を破壊しようとしているのか? そして、同時に、彼らは、隔絶した北極圏に何千万ドルも投資し、爆弾にも耐えられる「最後の審判の日貯蔵庫」に、あらゆる品種の種子を保存しようとしている。彼らは公式発表では、「未来のために多様な作物を保護するため」だと言っているのだ。

アフリカにGMO方式の「緑の革命」を押し込む一方で、同時にスバールバルの「最後の審判の日貯蔵庫」にこっそりと資金を出している。このロックフェラーとゲイツ財団のチームワークは、決して偶然ではない。GMOアグリビジネス巨大企業は、スバールバル計画で忙しくてたまらない。

スバールバル計画とそれに関わる人々のことを考えると、最悪の惨劇が起きるような気になる。まるでマイケル・クライトンのベストセラーSF恐怖小説『アンドロメダ病原体[The Andromeda Strain]』のような惨劇である。

c0139575_216522.jpg

地球外からやってきた致死的な病原菌が、急速に血液を凝固させ、人類全体が滅亡の危機に瀕するという話だ。だが、スバールバルでは、GMO「緑の革命」の警察官たち(ロックフェラー財団、ゲイツ財団、シンジェンタ、デュポン、CGIAR)が、未来の世界の最も安全な種子貯蔵庫を守るだろう。

c0139575_2112139.jpg



運営主体は、GCDT(世界作物多様性トラスト)

スバールバル計画は、GCDT(Global Crop Diversity Trust 世界作物多様性トラスト)という組織によって運営されることになっている。地球全体の品種の種子を託するという大それたトラストを所有するのは、誰なのだろうか? GCDTは、国連のFAO(The Food and Agriculture Organization 食糧農業機関)とCGIARから派生したバイオバーシティ・インターナショナル(Bioversity International、前身はIPGRI:国際植物遺伝資源研究所)によって設立されている。

c0139575_21142767.jpg


GCDTの本部はローマだ。その役員会の議長は、Margaret Catley-Carlsonである。

c0139575_21183765.jpg

彼女はカナダ人で、私企業としては世界最大級の「水」の会社スエズ・グループのリヨネーズデゾー(Lyonnaise des Eaux)の審議役である。Catley-Carlsonは、1998年までニューヨークに拠点のある人口評議会の議長も務めていた。人口評議会は、1952年に設立されたジョン・D・ロックフェラーの人口削減組織であり、途上国において「家族計画」、避妊具、避妊手術、「人口管理」を推進するという名目で、ロックフェラー家の優生学プログラムを推進するために設立されたものである。

GCDTの役員には、他に、元バンクオブアメリカの役員で、現在はハリウッドのドリームワークス・アニメーションの社長であるルイス・コールマン(Lewis Coleman)もいる。コールマンは、ペンタゴンの取引先(アメリカ最大級の軍需産業)であるノースラップ・グラマン社の重役でもある。

ブラジルのヨリオ・ドースター(Jorio Dauster)は、ブラジル・エコディーゼル(Brasil Ecodiesel)の取締役会長でもある。彼は、元ブラジルのEU大使であり、財務省でブラジルの対外債務の交渉責任者だった。ブラジル・コーヒー協会の会長、ブラジル特許制度近代化プロジェクトの調整役もしており、最近まで禁止されていた遺伝子組み換え種子を特許化する法整備にも関わっている。

ケアリー・ファウラー(Cary Fowler)は、GCDTの常任理事である。
c0139575_115495.jpg

ファウラーは、Norwegian University of Life Sciences(UMB、ノルウェー生命科学大学)の国際環境・開発学部の研究責任者・教授だった。また、彼はバイオバーシティ・インターナショナルの総裁付きの顧問でもあった。そこにいたときに、CGIARの「将来の収穫センター」(Future Harvest Centres)を代表して、「植物遺伝資源に関する国際条約」の交渉に当たっている。また1990年代には、FAOで「植物遺伝資源に関する国際プログラム」を率いた。彼は、FAOの「植物遺伝資源のためのグローバルプラン」の原案を作成し、協議を総括した。これは1996年に150カ国に採用されている。彼は、過去に米国の「全国植物遺伝資源委員会」のメンバーであり、メキシコのCIMMYT(国際トウモロコシ小麦改善センター。これもロックフェラー財団とCGIARのプロジェクトである)の理事会のメンバーも経験している。

GCDTの役員をしているインドのマンガラ・ライ(Mangala Rai)博士は、DARE(インドの農業研究・教育省)の長官であり、ICAR(インドの農業研究委員会)の議長である。
c0139575_173984.gif

彼はロックフェラー財団のIRRI(国際稲研究所)の理事でもある。IRRIは、世界初の大規模GMO実験(大々的に宣伝されたが結局失敗した「ゴールデン・ライス」)を推進した組織である。ライ博士は、CIMMYTの理事、そして、CGIARの運営委員会のメンバーも勤めたことがある。

GCDTの資金提供者には、ハンフリー・ボガート(俳優)の名作映画カサブランカのセリフで言えば、「いつもの札付き連中ばかり」集まっている。資金提供者には、ロックフェラー財団・ゲイツ財団だけでなく、デュポン傘下のパイオニア・ハイブレッド、スイス・バーゼルのシンジェンタ、CGIAR、国務省配下の熱心なGMO推進組織USAIDが含まれている。GMOと人口削減を推進するキツネが、人類の鶏小屋(世界中の多様な種を貯蔵するスバールバル)を警備しているようだ。 【脚注8】

続く

c0139575_21103925.jpg



脚注

6 Myriam Mayet, The New Green Revolution in Africa: Trojan Horse for GMOs?, May, 2007, African Centre for Biosafety, www.biosafetyafrica.net.

7 ETC Group, Green Revolution 2.0 for Africa?, Communique Issue #94, March/April 2007.

8 Global Crop Diversity Trust website, in http://www.croptrust.org/main/donors.php.

原文の紹介
"Doomsday Seed Vault" in the Arctic
http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=7529
GlobalResearch.ca
http://www.globalresearch.ca/
F.William Engdahl ホームページ http://www.engdahl.oilgeopolitics.net/

by oninomae | 2010-02-15 21:26 | バイオハザード・GMO食品  

<< 北極の「最後の審判の日・種子貯... 北極の「最後の審判の日・種子貯... >>