さらば暴政 ただし「世界政府の暴政こんにちは」になりませんように
さらば暴政 藤原肇より
『愚行の歴史』(朝日新聞社)を書いた歴史学者のバーバラ・タックマンは、失政による亡国現象のプロセスを四段階に分類している。より軽度のものから悪性なものに向かって、
1) 愚行
2) 腐敗
3) 覇権欲
4) 暴政
の順だとしているが、これは後のものが前のものを含むフラクタル構造である。
(中略)
それは優れた歴史感覚、政治的な使命感、高潔な人格、清廉な生活といった、偉大な政治的リーダーとして必要な資質において、自らを鍛える努力に欠けたまま世襲で代議士になったために、誇れるものが家柄や血統しかない事実が、テレビの画面を通じて国民に見抜かれたのである。
確かに、権力が大衆支配の道具に使うのはメディアであり、小泉はテレビを活用してしたい放題をやり尽くしたし、ヒトラーはラジオを活用して政権を保った。 大衆が同時に視聴する現象をビジネス化して、広告主の要望に応じるテレビの体質は、報道機関であるより情報商売を優先するとはいえ、同時に権力が秘める恥部も映し出すことで、時には両刃の剣の役目も果たしてしまうのである。
日本ではジャーナリズムが死滅
(中略)・・・権力者はメディアを支配していると思い上がって、愚民工作に陶酔して露出過度になるが、ボディランゲージは言葉より雄弁なメッセンジャーであり、それをテレビは視聴者に伝えるのである。
(中略)
・・・要人の中で、政治的には親政府の見解の持ち主を厳選して、そうした人たちだけを出演させる仕組みになっており、そのやり過ぎが余りにも目だっている。 現に、政府の政策に批判的な発現をしたために、評論家の森田実は保守派の言論人に属するのに、テレビ番組から降ろされたのは有名であるし、経済学者の植草一秀教授は冤罪で逮捕され、社会から葬る工作の犠牲になっている。
(中略)
次の世代への裏切り行為を歴史は許さない。
(中略)しかも大新聞は(中略)・・・最近では重要情報を意図的に隠蔽して報道しなくなり、読者の知る権利は大幅に踏みにじられている。
テレビ番組の質の低下は目を覆うほどであり、報道番組がバラエティ化して笑いとバカ騒ぎに終始し、コメンテーターもプロの知識を持ち合わせないで、センセーショナルに騒ぐか問題のすり替えに終始するために、発言への信頼の度合いは激減している。
(中略)
小泉純一郎が支配した五年間のゾンビ政治は、田中真紀子が彼を「変人」と指摘した通り、異常に満ち、自民党と共に日本の議会政治を破壊し、社会の秩序と安定を徹底的に破壊した。改革の名の下に公共財の私有化が進み、国民の資産が国際金融資本に売却され、禿鷹ファンドが日本を食い荒らす中で、国政の支配者として登場したのがネオコン(新保守主義)内閣だった。
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上記には賛成ですが、問題は、次の段階が、
5)亡国
かどうかということです。
蛇足
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藤原さんは、基本が「構造主義」だそうで、その分析には限界もあるようだ。つまり、フロイトやマルクスの枠組みのマトリックスに囚われている気配もあり、金融マフィアの幻想捏造詐欺についての考察が乏しいことが大きな問題である。
例えば、以下の記述は何だろう?
安倍晋三元首相批判文中のものだが、
「・・・世界はすでに構造主義をマスターし終わり、情報理論では脱構築の洗礼を済ませ、倫理観は直接には見えない次元において、自己の責任を取ることが常識になっている。・・・」 p206
引用者としては、これは笑うしかない。(まあ、誰かさんを弁護するわけではないとしても)
こちらにこそ言ってもらいたいのである。
「民主」党も、財源財源というばかりで、この大元の貨幣発行権問題をスルーするだろう。スルーしている間は、その根本で信用できない。
国民新党や、最近ではみんなの党も応援したくなる。
by oninomae | 2009-08-31 21:12 | 政治詐欺・政治紛争