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フリーメイソンの計画 by 林陽 2 キリストへの憎悪と結社の起源 + 世界専制


キリストへの憎悪と結社の起源

『歴史』と名付けられるその古文書は、今から一九六〇年前のエルサレムで、メイソンの母体組織が結成されたと記録する

キリストの磔刑(たっけい)から約一〇年後の、AD四三年六月二四日のことだ。ときのユダヤ王へロデ・アグリッパ一世[Herod Agrippa I, 10 BC - 44 AD]の王宮を、宰相ヒラム・アビウデが訪問した。彼は、当時隆盛を極めて、ユダヤ人の大脅威となりつつあったキリスト教を撲滅する新組織結成を、王に進言したという。

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ヘロデ王との対話で興味深いのは、ユダヤ人がキリスト教の急激な拡大の理由がわからず、それを魔術のせいにしている点だ。ヒラムはそれを「秘密の力」と呼んだ。

「秘密には秘密を持ってするしかない」と言い、キリスト教を超えるほどの秘密勢力を結成する以外、事態を沈静化する方法はないと結論付けたのだ。

ヘロデ・アグリッパは、ペツレヘムで幼児大量虐殺を敢行したあの有名なヘロデ[Herod the Great]の孫である。当時危機的状況にあったユダヤ教復興のためにどの王よりも尽力し、神殿の修復を完成させた。だが、ユダヤ教保護のために、使徒たちを次々に逮捕殺害したとも書かれている(使徒言行録:12・1~3)。

ヒラムの提言に刺激された王は、翌日九人のユダヤ人エリートによる会議を開き、演説を行った。アグリッパはイエスを「詐欺師」と呼び、その教えに寝返るユダヤ人が増えていると激怒した。 ヘロデ大王以来、先阻がイエスと弟子たちに向けて行ってきた戦いを雄弁に語り、ヒラムの提案を再現して、結社「秘密の力」の創設を訴える。

面白いのは、イエスの死と「蘇り」についての言及だ。アグリッパは、「イエスの墓が空になっているのが発見されたことが、ユダヤ勢力にとって決定的な打撃になった」と述べている。キリスト教徒への激しい憎悪はここに端を発したのだ。

  彼(イエス)の一味は、宗教上の権威と世俗的権威のことで、われわれと論争した。われわれの宗教を攻撃し、われわれから王国を奪うためだ。われわれは、先祖から受け継いだユダヤ教以外、いかなる宗教も容認しない。メシアの時代はまだ来ていない。

  どれほど多くの男女、家族がユダヤ教を捨て、これら詐偽師イエスの徒党に従っていることか。どれほど祭司と権力者たちが彼らに脅しをかけへ徒労に終わったことか。

  われわれの組織は無敵の力を持つ。あの〝秘密の力″と、イエスと弟子が打ちたてたものを、ことごとく粉砕する。欺瞞者たちを攻撃し、殺し、その一派を滅ぼすために獅子のように立ちあがる。欺瞞者の魔術を打ち消し、彼の一派を打破する甚大な力を組織から引き出す。 (The Dissipation of the Darkness, the Origin of Masonry, Lawrence G. S. Lawrence 邦訳:『ヘロデの呪い』)

こうして、狂気の沙汰とも言えるユダヤ国粋主義のもとで、キリスト教殲滅を中心眼目とする王立秘密結社「秘密の力」が創設されたのだ。それは兄弟団(ブラザーフッド)とも呼ばれた

次の会合で定められたのは会員を拘束する「死の誓約」だった。

  私(何某の子、何某)は、組織「秘密の力」の加盟メンバーに受け入れられた今、メンバーを傷つけ、組織の命令に背くいかなることにおいても、兄弟を裏切らないこと、組織の活動家が命じるいかなることをも完遂し、その秘密を誰にも口外しないことを、神と聖書と名誉にかけて、ここに誓う。この誓いに背けば、喉が切り裂かれ、いかなる形の死もいとわないことを誓う。 (同)

キリスト教徒撲滅の「秘密」は、ユダヤ人入会者にははっきり告げた。だが、非ユダヤ人には内密にし階級を昇るにつれて徐々に思想を注ぎ込み、適切な時点で知らしめる。誓いに縛られ、漸進的洗脳を受けた組織員は、進んで目的を果たした。彼らがユダヤ教保護のための、神の導きであると信じ切っているのが面白い。

彼らは、さらに秘密を徹底させるために、組織の起源を大幅に遡らせ、王宮で発見された古代文書に従って新組織が発足したかのように偽装したという。

  「発見された古文書」 の伝説がどうしても必要だ。このためソロモンが神殿に使用していた古代のシンボルをわれわれの宮に配置し、ソロモンが神殿で使用した二本柱を建立する。われらのヒラム・アビウデを、神殿の造営に当たりソロモンが召集した偉大なシリアの建築士の名を取り、ヒラム・アビフ[Hiram I]と命名する。この偽装の二点を、結社の一般綱領の中に特に明記せよ。さらに、偽装を強化するため建築士ヒラムが宮を造営するときに用いた、定規、コンパス、コテ、天秤、槌等の施設用具を使え。どれもヒラムが使ったのと同じ木製でなければならない。なるべく古く思わせるため、日月星辰のシンボルを採用しなければならない。

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結社のシンボルには、キリストに関係する象徴が多く採用されているが、実際には、それはイエスをペテン師として愚弄するためのものだったという。

メイソンのシンボルでよく見かける「木槌」。裁判官が使用するものだが、古文書によれば、キリストを十字架に打ちつけるときに使った木槌だ。それを三度叩いて会議を開くというのは、キリストを殺したことを永遠に語り継ぐ意味がある。メイソンの著者が必ず使う「三つの点」のシンボルは、磔刑に使われた三つの釘、三段梯子のシンボルは三位一体の蹂躙、三三位階は三三歳でキリストを殺した意味があるという。 

  木槌は、彼の両手、両足を木に打ち付けるのに使われた道具である。皮肉をさらに強めるために、この木槌をもって毎回会議を開くとしよう。どの会議もこの木槌を続けざまに三度打ち鳴らすことをもって始める。こうして、イエスを礁刑に処したこと、この木槌をもって彼の両手、両足を釘付けし、死に至らしめたことを永遠に思い起こす。三つの星は三つの釘を象徴している。それを三つの点に変えることもできるが、意味は同じだ。われわれのシンボルには、「神は父と子と聖霊であり、自分は子」という、あの男の冒涜的教えを嘲る三段梯子もある。

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フリーメイソンの儀礼でもっとも重視されている第三位階の秘伝の起源について、資料は興味深い事実を明らかにしている。第三位階あるいはブルー位階は、俗に「マスター・ヒラムの位階」と呼ばれている。ソロモン神殿の建設者、ヒラム・アビフの死と復活を記念すると言われる儀礼だ。イニシエイト(秘伝者)は、殺される儀礼をを通って、暗室に置かれた枢に横たわる。枢は明かりのともった神殿に運ばれ、大棟梁の掛け声とともに枢から出てくる。

メイソン系の本には、これはキリストの死と復活を象徴する劇で、イエス自身が兄弟団の大秘伝者、マスター・メイソンだったと書くものがあるが、何のことはない、ヒラム・アビウデの葬式を永遠に伝える儀式だったのだ。

古文書によればアビウデは、シリア宣教の旅に出たときに行方不明になり、三日後にもアカシアの木の根元で惨殺体で発見された。遺骸にはワシが三羽群がっていた。それを発見した結社員が、神殿にアカシヤの枝と遺骸を持ち帰り、葬式を行った。彼の死を永遠に悼み、結社の復讐心を呼び起こすためにヒラム・アビウデの葬式を、神殿建設者ヒラム・アビフの死と復活のイニシエーションにすりかえたのだ。

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私は、ヒラムの死と復活という儀礼には、彼らにとってのキリストを、いつの日か世界に送り出すという、メイソンの願いが込められているように思う。それは、アグリッパ自身「メシアの時代はまだ来ていない」とイエスを否定している言葉からも明らかだ。

ユダヤ人の悲願はメシア(ギリシア語訳はキリスト)の到来である。が、彼らにとって、キリスト教は最初から異端であった。それを根絶やしにして、ユダヤの王国を実現してくれるメシアを彼らは望んでいた。そこで結社の創設者ヒラムは、彼らにとってのメシア(キリスト)の原型と言えるのである。

使徒パウロは、「秘密の力」の動きを理解し、それが未来にどんな実を結ぶかを見通していたように思われる。

  誰にも、どのようにも、だまされないようにしなさい。なぜなら、まず背教が起こり、不法の人、すなわち滅びの子が現れなければ、主の日は来ないからです。彼はすべて神と呼ばれるもの、また礼拝されるものに反抗し、その上に自分を高く上げ,神の宮の中に座を設け、自分こそ神であると宣言します。彼がその定められたときに現れるようにと、今引きとめているものがあるのです。 『不法の秘密』はすでに働いています。 しかし、今は引き止めるものがあって、自分が取り除かれるときまで引き止めているのです。(テサロニケの信徒への手紙:2・3~7)

この書簡はAD四九年にパウロがテサロニケに伝道したあとで書かれたものだ。結社「秘密の力」の働きが真盛りだった頃である。 神殿に座り己を神と宣言する「不法の子」、「滅びの子」。それを準備する極秘の働きは「不法の秘密」と呼ばれているが、これは結社、「秘密の力」のことではあるまいか。 キリストの替玉を世界に送り出す計画は、メイソンの母体「秘密の力」と共に始まったと思われるのである。 


林陽 大預言(2007.7刊)  第8章 フリ- メイソンの計画  p168-176より

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ゴイム曰く: 「組織的な陰謀などない」

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by oninomae | 2009-07-05 20:21 | イルミナティ  

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