世界新秩序は緒につくのか by ジェームス・パーロフ 4 周到な悪謀
計画的な青写真
なかには、歴史は出来事--われわれの今日をあらしめた失策、暗合的事件、偶然事などの寄せ集めであるという人がいる。こうした視野からは、過去を説明するものは何も得られない。しかしながら一極世界支配主義者の影響や策動に関連づけて眺めるとき、歴史--特に二十世紀のアメリカ史--は、計画的な青写真に基づいて適所にぴたりと納められたかのように意味をなし始める。
アメリカの政策は、ほとんど例外なくニューディール以来常にこの青写真に合致する。そのいい例がわが国の中国政策で、アメリカ国民は共産主義中国との国交回復を認めるよう納得させられたかさせられないうちに、素早くその方向に引き込まれた。FDR(フランクリン・D・ルーズベルト)以降の大統領はすべてこの連続する政策の一端を担った。
ルーズベルト: 第二次世界大戦中に、満州の諸港をスターリンに割譲しソヴィエトの中国派遣軍の装備を許した。同地で彼らソ連軍は毛沢東の革命党員を武装させた。
トルーマン: 彼の代理人ジョージ・マーシャルを通じて休戦交渉、国民党に対する武器禁輸、議会で議決された軍事援助の実施妨害などによって中国の崩壊を許した。
アイゼンハウアー: 台湾政府に強いて大陳諸島を北京政府に手放させ、一九五五年には蒋介石の本土侵攻を防止すべく仲に入った。
ケネディ: 同じく一九六二年に蒋の本土侵攻を妨げた-この年本土に騒乱があり、打倒の絶好の機会であった。
ジョンソン: 台湾への経済援助を打ち切った。
ニクソン: 中国を訪問し、共産党との話の口火を切った。
フォード: 台湾から合衆国軍隊の大半を撤退させる采配を振るい、本土を訪問した。
カーター: 台湾との関係を断ち、北京政府を承認した。
レーガン: 中国との取引を急増させ、台湾への武器販売の削減を約束した。

われわれを奴隷の身分に落とそうとする周到な悪謀
わが中国政策は、一般外交政策と同様に本質的には揺るぎない進路を着実に辿った。どの政党が大統領職を握っているかはたいして問題ではない。あの「保守的な」リチャード・ニクソンが北京を訪れた時には、「リベラルな」ジミー・カーターのために北京政府を承認する道を開いていたのだということは、誰でも理解できることである。

わが国の歴史には一つの型がある。かつてトマス・ジェファーソンが言った、「専制政治による個々の行為は、その時に偶々持っていた考えのせいにできるかもしれないが、ある特定の際立った時期に始まり、いくら大臣が交替しても変わることなく続行される一連の圧制ということになれば、それはもうわれわれを奴隷の身分に落とそうとする周到な組織的計画であることがあまりにもはっきりしている」、このジェファーソンの言は、今世紀のアメリカ歴史の推移にぴったり当て嵌められよう(引用注:やはりジェファーソンは、アジェンダの1ステップに利用されていたお人好しの理想主義「イルミナティ」でしょう)。
もしもこの推移が何ら妨げられることなく続くならば、国家危機、憲法会議、また自由世界を鉄のカーテン[訳注:ソ連勢力圏を指す]および竹の力ーテン[訳注:中国勢力圏を指す]の国々に結びつける世界新秩序を予期せねばならなくなろう。
ジェームス・パーロフ 権力の影 外交評議会[CFR]とアメリカの衰退(原著:1988 訳書:1992.8) 第14章 世界新秩序は緒につくのか p318-320 より

by oninomae | 2009-03-15 23:22 | NWO・番号付動物農場・警察国家