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イルミナティ解説 by 林陽 2

悪魔に愛された女 解説(イルミナティ解説) by 林陽 2


イルミナティが究極的に目指しているのは、通商、金融、資源、何から何まで人類を一元管理できる、世界政府という名の「新世界秩序」だ。 それを導入するための「第三の混沌」までが計画されているのだろうか。彼らの歴史的文書は、確かにそれを裏付けている。パイクがマッチーニに宛てて書いた書簡は、第三次世界大戦についてのものだった。

それによれば、三度目の世界戦争は、中東でユダヤ人とイスラム教徒の間で起こすことになっていて、これは聖書に予告されたハルマゲドンと広く宣伝される。この「やらせ」ハルマゲドンは、相当ひどいものにする予定のようである。 各国は戦争と流血に疲れきり、平和が約束されさえすれば、ルシファーの教理だろうと何だろうと飛びつくに違いない、と大見得を切っている

これは、あくまで「計画」であって預言ではない。訳者はこの通りになるとは思わないが、オウムと同じく、黙示録に預言されているハルマゲドンを「演出」するために、とどめの一撃を入れようと、彼らが本気で企んでいることだけは確かだろう。パイクの書簡は、まるで悪魔の大予言のように聞こえるが、これは長期計画なのである。

「この世果戦争は、もっとも凄惨な社会変動と血みどろの動乱を招来する。そのとき、革命を起こす少数派から防衛せざるを得なくなった民衆は、全世界でこれら文明の破壊者を殺戮するだろう。一方、大部分の者たちはキリスト教に幻滅し、方向性を見失い、理想をあがき求めながらも、それをどこに求めるべきかを知らぬまま、最終的に民衆に提示されるルシファーの純粋な教理の世界的台頭を通して、真の光をつかむのだ。キリスト教と無神論の同時的征服と壊滅によって起きてくる広範囲にわたる反動から、これは現実のものとなる」

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イルミナティは、聖書でサタンと呼ばれているルシファーを神と崇め、その啓示の下に本気で世界支配を企んでいる集団なのだ。

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悲惨な世界大戦も、中東で何度も起きている戦争も、これまで述べてきたことから、彼らが背後で動いていることは疑う余地はない。金融破綻はこのための重要な手段であろう。

クロチルドの日記には、フランスを革命に追い込むために莫大な資本を海外に流出させ、国家財政を破綻に追い込み、無数の失業者を出したうえ、国の銀行をイルミナティ系の銀行に合併させていった話も明らかにされている これなど、最近の日本での金融界の動きに無気味に符合する。日本を始めとするアジア各地でのバブル崩壊も、あらかじめ仕掛けられたものだったのではないのか。(引用注:もちろん、今の世界こそ)

彼らの計画は、今後三十年間に焦点を集めている。イルミナティの大思想家と目されている故マンリー・ホール[Manly Palmer Hall, 1901-1990](メーソン33位階)は、『古代哲学講義』のなかでこう述べた。

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「民衆が自分を治められるほどに強く、賢明な時代はまだ到来していない。治めるに値するのは、エキスパートだけである。二百年以内に、人類はプラトンとアリストテレスの神々にかしずくとの予言が、今から百年前になされている。哲学の神々がふた,たび世界を支配するのである」

エキスパートあるいはオリンポスの神々とは、イルミナティの高イニシエートを意味している。  プラトンは『国家論』のなかで、十人の王が支配するアトランティスの理想世界を描いているアトランティスは、神に反逆したがために大洪水で滅ぽされた失われた世界だが、この世界をふたたび実現することがイルミナティの中心的計画なのだろう。

これに関連して、聖書に「十人の王」が獣と呼ばれる偽キリストにかしずいて世界を治めるとの預言があるのは、実に興味深いことだ。この十王国は、短期間で滅亡すると預言されている(ヨハネ黙示録十七章)。獣とは世界政府であり、その統治者であろう。今後三十年の間に世界政府を実現させようとしているイルミナティの計画とその結末がここに読み取れる。

オカルト面からコメントすれば、精神世界、ニューエイジにはまっている人々も、本書から学ぶこと大であろう。ニューエイジは、オカルト・イルミナティの再現と言っても過言ではない。オウム事件は、その典型的な例である。彼らは、星占い、生まれ変わり、自然食、密教、ヨガ、超能力開発、東洋医学、気功法、チャネリング、風水など、精神世界の「美味しい」知識を凝縮した思想で若者を入信させる一方、幹部連中は最新技術を駆使して「ハルマゲドン計画」を練り、それを実行に移そうとした。百年、二百年前のイルミナティのやり方を現代的に応用しようとしたわけだ。

そこで、今のニューエイジは、当時の「善良たる理神論メーソン」に対比でき、その中核で「イルミナティ」にあたる、オウムその他のオカルトテロ集団を培養する役割をしているとも言えるのである。 ニューエイジを追求している人々は、自分はこの教団とは何の関係もないと思うかもしれないが、本当にそうなのかどうか、次のニューエイジ指導者たちの言葉を読んでいただきたい。

フィンドホーン[Findhorn Foundation]で霊的照明を受けた欧米ニューエイジ運動の指導者、デピッド・スパングラー[David Spangler, b.1945]は、その著『キリストの省察』(フィンドホーン・ブック)のなかで、ルシファー意識との合一が霊的覚醒には不可欠だ、と繰り返し説いている。

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「ルシファーの真の性質は、善でも悪でもない。彼は進化を通して活動する神の愛である」(41ぺージ) 

「ルシファーが解放されるときに、人に内在するルシファー要素はもはや試験官ではなくなり、真の光の啓示者、光の天使、知恵の光になる」(43ぺージ)

「人間の完全性の時代、ニューエイジに入るときに、人は何らかの形でルシファー・イニシエーションと呼ばれる地点を通る。ルシファーは、完全性という最後の賜物を我々に与えるために来る。それを受ければ、人は自由になり、我々も自由になる。それがルシファー・イニシエーションである」(44~45ぺージ)

--こんなのもあります
"No one will enter the New World Order unless he or she will make a pledge to worship Lucifer. No one will enter the New Age unless he will take a LUCIFERIAN Initiation." (David Spangler, Director of Planetary Initiative, United Nations)
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ニューエイジの核心部分はルシファー秘伝にあることを、指導者自らが認めているのであるこのスパングラーという人物は、今や国連の「プラネタリー・イニシアティブ[Planetary Initiative]」代表の任にある。 

日本のニューエイジの母と慕われているY.Aという人も、ルシエルを名乗る霊的存在から同様のことを啓示され、フィンドホーンの客となった。ルシエルとは、サタンが堕落する前に天上で持っていた名前である(彼は、地獄の光を意味するルシファーよりも、この名を使うことを好むと言われている)。それは、ルーシェル、ルキエル、ルキスとも呼ばれている。

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ニューエイジの母体組織とも言える神智学の創設者ブラバッキーは、大作『秘密教理』のなかで度々、ルキスあるいはルシファーを礼賛する言葉を述べている。
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彼女にとって、ルシファーはキリスト教によって悪魔にされてしまった真の光の神であり、宇宙開闢のときに現われた最初の神であった
(第1巻70ページ。ブラバッキーは一八七五年にこの協会を創設したが、そのとき幹部に名を連ねたのが、何とアルバート・パイクだった。 
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実際、神智学協会の幹部は、全員メーソンだったことが明らかになっている。

ブラバッキーの遺志を継いだのが、イギリスの神智学者のアリス・べーリー[Alice Ann Bailey, 1880-1949]だ。
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彼女は「ルキス・トラスト」という組織を発足させ、そこから世界政府と世界宗教を実現するための計画案を明らかにする、膨大なチャネリングの本を発行した。この組織を日本語に訳せば「ルシファー企業合同」となる
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何とこの機関は、その後国連の下部組織に組み込まれている。国連は、ルシファー秘伝の場になってしまうのだろうか。

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もう一人、欧米のニューエイジで偉大な思想家のように礼賛されている哲学者、マンリー・P・ホールがいるが、この人もルシファー秘伝主義者だ。『フリーメーソンの失われた鍵』のなかで、彼はこう書いている。

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メーソンは、活ける力のダイナモの正しい使い方を知ってこそ、結杜の奥義を知ったことになる。そのときに、彼はルシファーの燃え盛るエネルギーを手にするのだ。さらに高きへと踏み出す前に、彼はそのエネルギーを正しく使う能力を証明しなければならない」(48ぺージ)

ここで言う「ルシファーの燃え盛るエネルギー」とは、ヨガで言うところのクンダリニー(蛇の火)である。東洋でも、西洋でも、密教が教えるところは、この蛇の火を内に目覚めさせて霊的た光明を得るというものだ。それは、オウム真理教の信者たちが目指していたものである。

ソフトニューエイジの生みの親、エドガー・ケーシー[Edgar Cayce,1877-1945]は、健康相談では優れた力を発揮したが、その思想は、キリスト教の衣で覆った神智学だった。
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彼も、クンダリーニを目覚めさせることをしきりに説いていた。 ケーシーの一番の財政支援者であったデーブ・カーンというユダヤ人富豪は、戦時中にロスチャイルドの右腕として働いた高位のメーソンだった。 彼は、メーソンの神殿からケーシーヘの補助金が出ていたと自叙伝に記している。ケーシー財団の建物は、一九五〇年代にフリーメーソンのバージニアビーチロッジが使っていた場所だ。この団体がマンリー・ホールの団体と提携を結んでいるのも、まったく自然なことなのである

ケーシー信者たちがイルミナティの思想を受け入れていることは、アメリカで彼らが張っているホームページや出版している本に、平気でイルミナティのシンボルを使っていることからも分かる。 このような動きは、先代にはなかったことだ。今は昔とは異なり、キリスト教を装う必要がなくなったためであろう。ケーシーを宣伝するアメリカのホームページには、「事物の新秩序」の大きな文字とともに、目のついたピラミッド(一ドル札の裏に印刷されているイルミナティのシンボル)が使われている。 そして、「新世界秩序はキリストが治めるものなので恐れることはない、陰謀研究など愚かしい」とさえ書かれている。これには本当に驚かされた。イエズス・キリストが、反キリスト集団イルミナティの標語を使う、と彼らは本気で信じているのだろうか。ケーシーの研究グループも、数年前に国連に所属した。

このように、ニューエイジとメーソン、あるいはイルミナティは、密接にリンクしているのである。 しかも今や、イルミナティの計画は最終段階に入り、国連がその本拠地に変わりつつあるのだ。

本書の主人公のクロチルドが、「聖霊」を称するルシファーから啓示された話は、今の精神世界の教えとなんら変わるところはない、七つのチャクラや生まれ変わりの思想さえ、そこには登場する。彼女は、ニューエイジで中心を占めているチャネリングの先駆者であったばかりか、クンダリニーを目覚めさせ、空中浮揚さえやってのけた。だが、それを自分の力とは見なかった。

「何たる瞬間!わたしは、自分を超えるいかなる自然の法則も、重力さえも、どのような秘密も存在しないことを感じた。この世の人間の弱さをわたしは思い知った。彼らは、どのような力も、自分自身から出てくるものだと考えているからだ。だが、彼らに力を与えているのは霊なのである」

これは、天井にまで空中浮揚したときの、彼女の感動の言葉である。人間は、霊的に神か悪魔か一方を選択する権利を持っている。しかし、悪魔は悪魔として初めからその姿を現わすことはない。ルシファーは得意の七変化を使い、精霊やキリストの名前さえ騙り、神々しい霊的存在として人の前に姿を現わす。そして、崇高な理神論によって、人間は独力で神に似た超人になれるとの神秘思想を吹き込むのである。だが、体験を極めた人は、それが誰弁に過ぎないこと、人間はいずれかの霊的力を通す媒体にしか過ぎないことを知っているのだ。

悪魔という存在は、今の心理学では、人間の自我の象徴にしか解釈されてはいない。しかし、奥義を究めた人は、霊的世界には二つの極性が存在することを知っているのである。悪魔が存在するとすれば、もう一つの霊的極であるイエズス・キリストも、同じように存在する。(引用注:引用者は「超自然的」というのは信じていません。神話はどちらも天空の星の話だろう)

「獣と出会うそのときまで、わたしは超自然的な原理を否定し続けてきた。そして今、さらに二つの原理を受け入れねばならなかった。カトリックのそれと、洗礼の神が存在することの二つである。洗礼の神により力があることは、獣自らが認めていたことだ。だがわたしの目は塞がれ、この神が力ある神であるばかりか、心優しく、知恵に満ち、聖たる完成にあることを結論するまでには至らなかった」

クロチルドが回心したときの告白である。キリストを知った彼女は、以前には「聖霊」と呼んで親しんでいたその力を「獣」と呼び、完全に挟を分かったのである。ここに希望が見える。

クロチルドはイルミナティの破壊的計画を立案するために、ルシファーから啓示を受ける役割にあった(引用注:神懸かりの巫女ですか)。その彼女が、最終的に真の「神」に救いを見出し、イルミナティに大打撃を与えたことは、われわれにとっては大きな希望である。当時の教皇レオ十三世は、四回も反フリーメーソン回勅を出したが、その背景には彼女の告発文書の存在があったと言われている。

この世は戦いの場である。闇は真の光に対抗するために、光を偽婆して戦力を集めようとする。しかし、見極める目を養えば、真の光と、光を偽装する闇とを区別することは可能である。

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この本は、陰謀者側の弱点を知ることによって、彼らに対抗する力を与え、彼らの策略を詳細に知ることによって、陰謀に打ち勝つ知恵を与えてくれる、きわめて重要な資料である。

読者が、世界史をつむぐ見えざる糸を本書からつかみとり、巧妙な光の偽装の背後に隠された真実に目を開かれることを念願している。

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二〇〇〇年三月 訳者


シスター・マリー・エメリー 悪魔に愛された女 訳者解説 p236-244 より

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17:ヨハネの黙示録 / 17章 17節

神の言葉が成就するときまで、神は彼らの心を動かして御心を行わせ、彼らが心を一つにして、自分たちの支配権を獣に与えるようにされたからである。

18:ヨハネの黙示録 / 17章 18節

あなたが見た女とは、地上の王たちを支配しているあの大きな都のことである。

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by oninomae | 2008-12-22 21:24 | イルミナティ  

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