イスラエル:暗黒の源流  ジャボチンスキーとユダヤ・ファシズム 3

http://bcndoujimaru.web.fc2.com/archive/Vladimir_Jabotinsky1.html#1bu より その3

第3部 『鉄の壁』:イスラエルの建国哲学   (2006年6月)

[国祖ジャボチンスキー]

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 2005年3月、イスラエル議会(クネセット)は『ゼエヴ・ジャボチンスキー法案』を可決し、「シオニズムの偉大な始祖を記念するジャボチンスキーの日」の設定を決めた。同種の法案は今までに、シオニズムの開祖テオドル・ヘルツル、および2001年にPFLPによって暗殺されたレハヴァム・ゼエヴィに対して作られたものがあるのみであるが、このゼエヴィにしてもリクード党の大物幹部、ジャボチンスキー直系である。

 このウラジミール・(ゼエヴ・)ジャボチンスキーは、ヘルツル、ゴルダ・メイアなどと共にエルサレムのヘルツルの丘に埋葬されているイスラエルの「国祖」の一人である。さらにこの国にはジャボチンスキー研究所やその博物館、図書館などが設けられている。そればかりではない。

 イスラエル政府は、ユダヤ人・非ユダヤ人を問わず、イスラエルとシオニズムに貢献した人物に「ジャボチンスキー賞[Jabotinsky Medal]」を授与するのである。 ベギン首相当時の1981年に米国のクリスチャン・シオニスト指導者であるジェリー・フォールウェル[Jerry L. Falwell]、1985年に元米国国連大使でオプス・デイ関係者との噂もあるジーン・カーパトリック[Jeane Jordan Kirkpatrick, 1926-2006]が《オプス・デイに関してはこちらの記事を参照のこと》 、外国籍の人物としてこれを受賞している。

 ところが米国ではブナイブリスの代表的機関であるADLが独自の「ジャボチンスキー賞[Jabotinsky Award]」を設定しているのだ。この賞は1988年にあの「ナチ・ハンター」サイモン・ヴィゼンタールに授与された。それ以前にはメナヘム・ベギン、およびニューヨーク市長(1978-89)を務めたエド・コッチに授与されただけという、特別な意味を持つ賞である。 しかし、イスラエル首相でジャボチンスキー自身の「直弟子」であるベギンが、ADLから「ジャボチンスキー賞」を授与されるとは?

 このADLの委員長エイブラハム・フォックスマン[Abraham H. Foxman]は、ムッソリーニの熱烈な賛美者であるシルヴィオ・ベルルスコーニとは無二の親友 であり、そのムッソリーニとジャボチンスキーの深い関係は前回までに申し上げた通りである。こういった事実はユダヤ・ファシズムの本流が実際には米国にあることを示しているのかもしれない

 また米国の隣国カナダといえば「新世界のロスチャイルド」ブロンフマン家のお膝元、世界ユダヤ人会議議長エドガー・ブロンフマン[Edgar Bronfman, 1929-2013]が君臨する国なのだが、ここでもまた、ブナイブリスやベタールなどが主催する「ゼエヴ・ジャボチンスキー記念行事」が毎年華々しく開催されている。 そしてそのブロンフマン家は、元々は米国でメイア・ランスキーと並んでユダヤ・マフィアを取り仕切っていたのだが、彼らとジャボチンスキー集団との関係はいずれ検討する必要があるだろう。

 これほどにシオニストの間で別格の地位にあるジャボチンスキーなのだが、日本での扱いは「不当」としか言いようのないほど小さい。シオニズムをファシズムの一種、イスラエルをファシズム国家として、認識させまいとする圧力が働いているのか?

【以上、参照資料】(略)


[鉄の壁]

 ここでジャボチンスキー自身の声を聞こう。1923年に書かれた「鉄の壁:我々とアラブ人たち」の一部を抜粋して翻訳しお目にかけることにする。これは、パレスチナの土地をアラブ人との交渉によって手に入れようとする当時のシオニスト主流派に対する反論として書かれたものである。元資料として、レニ・ブレンナーの"The Iron Wall"に掲載されている英語訳を使用した。《注記:全文訳はこちらにある。》

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【前略】
 読者の方々はみな、他の植民地化が行われてきた国々の初期の歴史に関するいくらかの認識をお持ちである。私はあなた方にあらゆる有名な実例を思い起こすことをお勧めする。もしあなたが、現地人との合意を得て為された植民地化の例を一つでも探そうとするなら、それは失敗に終わるだろう。住民たちは(文明化されていようが野蛮なままであろうが)常に頑強な戦いを続けてきた。さらにいえば、植民者たちがどのように行動するかは結局何の影響も与えなかった。ペルーやメキシコを征服したスペイン人たちは、あるいはヨシュア・ベン・ヌンの時代に我々自身の先祖もそうだったと言う人もいるだろうが、あたかも山賊のようにふるまった。しかし北アメリカでは、初めて真の開拓を行ったあの「偉大な開拓者」、イングランド人、スコットランド人、オランダ人たちは高い道徳性を有する人々であった。彼らは赤い人々との平和を維持したいと願ったばかりではなく蝿一匹にさえ憐みをかけることが出来た人々だった。あの処女林と広大な原野の大きな空間は白人と赤い人々が共に使うことが出来ると、あらゆる誠実さと純真さをもって信じる人々だったのだ。しかしながら原住民たちは、野蛮な植民者たちに対しても文明化された植民者たちに対しても、共通して、同じレベルの残虐さで抵抗したのである。
 もう一つの全く役に立たなかった視点は、植民者がその土地から自分たちを追い出したいと考えていると原住民たちが疑っているかどうかを問題にすることだった。米国の広大な土地には決して百万人あるいは二百万人を超えるインディアンたちが住んでいるわけではなかった。住民たちは、自分たちが追い出されるのではないかという恐れから白人の植民者と戦ったのではない。その理由は単純だ。どこであろうがいつであろうが、自分の国の中で他の植民者を受け入れるような原住民がいたためしがない、ということである。どのような原住民たちも、文明化されているか野蛮であるかに関わらず、自分の住む地域を自分たちの祖国と見なすものである。新しい主人ばかりでなく、たとえそれが新しいパートナーであったとしても、彼らが自主的にそれを受け入れるようなことは決して無いだろう。
【中略】
 シオニストの植民は、その最も控えめなものであっても、やめてしまうかあるいは原住民たち意思を無視して実行されるかのどちらかでなければならない。それゆえに、この植民は地元の住民とは無関係の権力による保護のもとにのみ続けられ発展させることが出来る。つまり原住民たちが打ち破ることの出来ない鉄の壁である。これがアラブ人に対する我々の方針の全てなのだ。他の方法でこれを成し遂げることは偽善に過ぎまい。
【中略】
 現実に生きている人間というものは、もはや何の希望も残されていないときにのみ、そのような決定的となる問題に対して大幅な譲歩を行うのである。その鉄の壁に何一つ傷を付けることが出来ない事実と向き合うときにだけ、そのような場合にのみ、過激グループがその支配力を失い主導権が穏健グループの方に移るのだ。そのような場合にのみ、これらの穏健グループが我々のところにやって来てお互いの譲歩を提案することだろう。そしてそのような場合にのみ、穏健派が、立ち退きをしないで済む保証や平等や自治権といった実践的な問題に関する約束の提案を行うことだろう。
【中略】
 しかしそのような合意に向かう唯一の道はこの鉄の壁である。それは言ってみればパレスチナでアラブ人によるあらゆる種類の影響を排除した一つの政府を強力に作り上げることであり、そしてアラブ人たちが必ずそれに対して戦うであろうものだといえる。言い換えると、我々にとって将来の合意に向けての唯一の道は、今現在において合意へ向けてのいかなる試みをも完全に拒否することである。
【中略】
 我々は、シオニズムが道徳であり正義であると主張する。そしてそれが道徳であり正義であるがゆえに、正義は果されなければならないのだ。ジョセフが、シモンが、イヴァンが、あるいはアクメットがこれを認めようとそうでなかろうと、問題ではない。 それ以外の道徳性など存在しないのだ。
【後略、訳出終り】

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 私はこの「鉄の壁」を読むたびに心底から吐き気を覚える。これほどに厚かましい強盗の論理があるだろうか。虚構の北米「開拓」史を捏造し、初めから他人の権利を無視しあらゆる理性的な合意を無視して、抵抗不可能な圧倒的な暴力と強権を駆使して財産を奪い取り、相手が抵抗の意思を失うまで隔離し差別し叩きのめす・・・。20世紀以降のパレスチナ史を知っている人ならば、この「鉄の壁」こそが『シオニストの道徳』『シオニストの正義』であること、つまりイスラエルが現在も堅持し続ける『建国哲学』の中心であることをご納得いただけるだろう。

参照資料


[「土地なき民に民なき土地を」の嘘デタラメ]

 私のイスラエルに対する吐き気を一層かき立てる事実がある。

 イスラエル首相(1969~74)ゴルダ・メイアは1969年に英国紙サンデー・タイムズに対してこう語った。《パレスチナ人などというものは存在しません。・・・。それ(イスラエル建国)は我々がやってきて彼らを自分たちの国から放り出した、などというようなものではないのです。彼らは存在しませんでした。》

 ジャボチンスキーは、シオニストが進める植民が『原住民たちから彼らの祖国を奪うこと』であると知っていたからこそ、「鉄の壁」を提唱したのである。彼はまだしもシオニズムの本性を正直に認めてそれを表明した。

 そのジャボチンスキーを「ウラジミール・ヒトラー」と呼んで非難したのは社会主義シオニストであるダヴィッド・ベン・グリオンであった。そしてメイアは彼とともにこの国の成立に全力を傾けたのだが、その社会主義者たちが行ったことは「鉄の壁」路線の完遂以外の何物でもない。彼らの暴力と侵略性は「ユダヤ・ファシスト」「ウラジミール・ヒトラー」と何一つ変わるものではなかった。のみならず・・・。

 ジャボチンスキーは残忍ではあるが少なくともパレスチナの状況に関して嘘は付かなかった。ベン・グリオンやメイアは残忍な上に大嘘つきである。そしてその残虐さと嘘は、ことごとく米国の庇護と「ホロコースト」、シオニストが支配する世界中のメディアによって覆い隠され正当化されたのである。

 ここでパレスチナの人口構成の変遷を見てみよう。1880年に人口は50万人でうちユダヤ人は2万5千人であり、そのほとんどはパレスチナ人と血のつながりの濃い本来の意味のユダヤ人たちだった。

 その後ロシアでのポグロムが本格化したためユダヤ人の大量流入が起こり、1882年から1917年までに約5万人がパレスチナに移住した。第1次大戦後の1922年では、委任統治を開始した英国による調査で、パレスチナ人67万人、ベドウィン7万人、そしてユダヤ人は6万人とされる。

 その後、ドイツでヒトラー政権が誕生するとユダヤ人の移入は急激に増え、1933年に3万人、34年に4万2千人、35年には6万1千人の入植者が新たにやってくることとなり、1939年にはユダヤ人人口は44万5千に膨らんだ。そして英国がパレスチナの委任統治を国際連合に委ねた1947年4月には、パレスチナ人130万人に対してユダヤ人は60万人と推定された。このように、欧州で「反ユダヤ主義」が高まるごとにユダヤ人移民が増え「建国」へと近付いていったことにも注目しておこう。

 そのうえで同年11月に国連は、米国の圧力により、パレスチナの56.5%の土地をユダヤ人のものとする、パレスチナ人には到底納得できない分割案を可決したのである。その後、集団的暴力と大量虐殺、組織的な破壊活動によって「鉄の壁」が建設され、そして、メイアは涼しい顔で言った。《パレスチナ人などというものは存在しません》。

 付け加えなければならないことがある。

 イスラエルをユダヤ教の国というのは大間違いであり、この国の政府の統計でもユダヤ教を信仰している人は人口の15%に過ぎない。ところが、国民の90%がこの国を「神が与えたものである」と主張する。信じてもいない「神」が・・・。

 ヘルツル、ジャボチンスキー、ベギン、ベン・グリオン、メイア、・・・、彼らはことごとく無神論者だ。ユダヤ教への信仰心など全く無い。そのメイアがこう言う。《この国は神自身によって為された約束の実現として存在する》。ベギンも言う。《この土地は我々に約束されたものであり、我々はそれを受け取る権利を持っている》。

 嘘付きもここまでくれば立派なものだ。ジャボチンスキーが言った「シオニストの道徳」「シオニストの正義」の要件としてもう一つの項目を加える必要があろう。『平然と嘘をつくこと』。

 だかしかし、「鉄の壁」はパレスチナ人に対してだけ作られたものではない。これは何重にも強調されなければならない。第2次世界大戦以降、シオニストとイスラエルは、アラブ人に対しては実弾を使い、世界に対しては虚構を用いて、それぞれに対する「鉄の壁」を築きあげてきたのだ 。

 このイスラエル建国、すなわち『土地なき民に民なき土地を』という人類史上まれに見る大掛かりであからさまな政治・言論詐欺は、世界中の人間に向けて作られた「鉄の壁」によって始めて実現しえたものである。この「鉄の壁」はシオニスト・プロパガンダの道具である各国メディアと出版・映画など文化機関、各国教育機関、および各国政治党派、特に左翼勢力を使っての、総がかりの心理・情報戦争による戦果であり、欧米・日本などの社会で巨大な「ユダヤのタブー」としてそそり立っている。その最大の支柱が「ホロコースト」であることは言うまでもない。

 ただ、少しは相手の言い分も聞いてやらねばなるまい。2006年6月にガザ地区の子供や婦人を含む一般市民に対する虐殺を国際的に非難された際にイスラエル当局者はこう言った。「我々は戦時中なのだ」と。その通り。正しい。イスラエル国家はイスラム世界を相手に、そしてシオニストは世界を相手に、戦争の継続中なのである。19世紀末から100年以上もの間、世界は常に「戦時中」なのだ 。世界各地でその「熱い局面」と「冷たい局面」が作られてきてはいるが、世界に対するシオニストの戦争が一瞬たりともその歩行を止めたことはない。

 戦争にはプロパガンダが必要でありプロパガンダは何よりも強力な武器である。嘘を作り、嘘を広め、嘘を信じ込ませることは、敵に対する最も有効な攻撃なのだ。要は「だまされるヤツ」が馬鹿なのである。それにしても、この無神論者どもが口にする「神」とは一体何物であろうか? 誰がパレスチナの土地を「約束した」というのだろうか?

【以上、参照資料】(略)


[イスラエルは植民地?]

 イスラエルが石油地帯である中東を支配するために作られた米国(あるいは英国)の「植民地国家」ではないか、という議論は以前から存在する。特にジェフ・ハルパーやノーム・チョムスキーなどの左翼系のユダヤ人たちを中心にして、このような見方を採用し、あるいはそれに影響を受ける知識人が数多く存在する。

 イスラエルでパレスチナ人の家屋を破壊する政府の方針に対しての反対運動を指導しているベン・グリオン大学教授ジェフ・ハルパーは次のように語る。(出典はIsrael as an Extension of American Empire:2005年7月)

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【前略】
 もちろんだが、イスラエルは米国のユダヤ人社会を支える中心人物たちにとって最大の関心事であり続けている。彼らは今や、ネオ・コンの方針に、つまりそれゆえに、米国の外交政策と軍事戦略を作り上げることの中にイスラエルの問題を切れ目無く統合させるために、政治的影響力を発揮しているのである。それは、ユダヤ人たちがいかにアメリカの生活に同化してきているのか、いかに彼らがアメリカと完全に自己同一化して「中東唯一の民主国家」イスラエルをその延長と見なしているのか、を示すものである。ネオ・コンの方針を定義する「文明の衝突」のパラダイムの中で、アメリカ合衆国は十字軍の先制攻撃に着手している。それは、アメリカの価値観により即応し、そうしてアメリカの(およびその協力による)教化の下にアメリカの利益によりよく沿うように各国政府を導いていくための、「世界民主主義革命」による政権転覆を引き起こすことが目的である。真のアメリカ新世紀におけるアメリカ帝国なのだ。イスラエルは、こうして、三つの等式にピッタリと当てはまるのだ。第一に、イスラエルはアメリカが見本として掲げるこの種の強調すべき(そしてアメリカの気前よさが与えるイスラエルの利益がいかに他の政権を説得することに役に立つか、という)事を代表している。次に、イスラエルは更なるアメリカの利益のために軍事的能力と政治的行動力を持っている点である。そして第三には、イスラエルが十字軍最大の「戦場」である中東に位置している点である。そこでイスラエルはアメリカが最悪の敵と呼ぶ「イスラム過激派」と対峙しているのだ。強いイスラエルは、すなわち強いアメリカを意味するのである。
【後略】

・・・・・

 もちろんハルパーは現在のイスラエルと米国の中東戦略を強く批判している。しかしそのイスラエルに対する視点は、ご覧になって分かる通り「アメリカ帝国の延長としてのイスラエル」なのだ。ネオ・コンのユダヤ人たちはあくまでも「アメリカ人」であり、アメリカに同化し切りアメリカを代表する人間たちになっている。この観点からすると、イスラエルの建国は「中東におけるアメリカ帝国の植民地建設」となる。

 たしかに先ほどのジャボチンスキーの文章からも明らかな植民地主義が見て取れる。とりわけ200万人、資料によってはもっと多かったと言われるアメリカ先住民の大虐殺と土地・資源の略奪を平然と行ってきた者達のことを、《初めて真の開拓を行った》、《偉大な開拓者》、《高い道徳性を有する人々》、《赤い人々との平和を維持したいと願ったばかりではなく蝿一匹にさえ憐みをかけることが出来た人々》などという明白な虚構によるレトリックを用いて褒め称えるところなど、このユダヤ・ファシストとアングロサクソンとの深い関係を疑わせるものである。

 そしてアメリカ合衆国は先住民大虐殺の生き残りを、不毛な狭い土地を「居住区」として閉じ込め、徹底した差別の元に置いた。先住民たちは《打ち破ることの出来ない鉄の壁》を目の前にしてあらゆる抵抗の意思を失い、《立ち退きをしないで済む保証や平等や自治権といった実践的な問題》で譲歩せざるを得なかったのである。ジャボチンスキーの「鉄の壁」のお手本がアメリカ合衆国にあったことは明白 である。

 ジャボチンスキーは言及していないが、アングロサクソンたちの姿勢はオーストラリア先住民に対しても全く同様であったし、最良の土地と豊富な資源を奪い取り先住民を隔離した「アパルトヘイト国家」南アフリカもその同類に他ならない。これがまさしく彼らの「道徳」であり「正義」である。《それ以外の道徳性など存在しない》のだ。ジャボチンスキーの論理、すなわちイスラエルの国是はこのアングロサクソン帝国主義の直接の延長と言えないこともない。

 ただ一つ、十分に注意しなければならない点がある。我々は普段から国境線と国民国家の概念に慣らされているため、「イギリス」「フランス」「スペイン」といった宗主国の名を語る。ではイスラエルが「植民地」だとしてその宗主国はどこか。やはり米国だろうか。あるいは英国か。しかし奇妙なことがある。

 英国は確かにあのロスチャイルドに宛てたバルフォアの手紙によってイスラエル建国のきっかけを作り建国後も常にイスラエルに肩入れしてきたのだが、委任統治時代には「ユダヤ人国家」の建設を渋り、ジャボチンスキー集団のイルグンやレヒによって多数の政治家や外交官を殺害されている。

 またイスラエルが米国の総力をあげた支援がなかったならばとうに消滅していたはずの国であるにも関わらず、その米国は1967年の「6日戦争」の最中にイスラエルから調査船USSリバティーを攻撃されて 多数の死傷者を出した。さらに83年のイスラエルによるレバノン侵攻の際にも(ほぼ間違いなく)イスラエルが仕組んだ爆弾テロによって250名もの兵士を失っている。その上に、現在までイスラエルによる数多くのスパイ活動に苦しんでいるのだ。2001年の9・11事件にしてもイスラエルによる犯行を叫ぶ人もいる。

 そして両国とも、米国がジョナサン・ポランドをスパイ容疑で懲役刑に処した以外、一度たりともイスラエルに対して強い態度を表明できないでいる。そればかりか21世紀に入っても、まるでイスラエルが米国や英国の鼻面を引きずり回すようにイラク・中東戦争の泥沼に引きずり込んだような印象さえ受ける

 まさに「主客転倒」であり、これを、宗主国である英国に対して独立を宣言したアメリカ合衆国のような「植民地の反乱」の類であるとは、到底考えることができない。もはや国家を基準にした発想ではまるで理解が不可能 となってしまうのだ。

 先ほどの疑問に戻ろう。歴代イスラエル指導者の無神論者どもが口にする「神」とは一体何物か? 誰によってパレスチナの土地が《約束された》のだろうか? さらに言えば、あのやせこけた近東の土地の小片を奪う目的だけであれほどに大掛かりなキャンペーンを用いるのだろうか? この「神」の目的は一体何なのか? ここが現在の中東と世界の問題の鍵を握るポイントであろうが、しかし結論を急ぐことは敢えて避けよう。次回はジャボチンスキーの愛弟子、メナヘム・ベギンを中心に、このユダヤ・ファシズムを取り巻く意外な現代史の素顔を追及してみたい。

参照資料

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by oninomae | 2014-03-06 20:24 | 魔術=詐欺とイルミナティ  

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