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サリン・グリッド 櫻井J

米国政府がシリア攻撃の口実に使おうとした「化学兵器話」は崩壊、反政府軍がイラクのアル・カイダから自家製のサリンをトルコ経由で入手していることも明確に 櫻井ジャーナル 2013.09.14
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201309140000/

 アメリカの支配層、特にネオコン(親イスラエル派)や戦争ビジネスはシリアに対する直接的な軍事介入を実現しようと今でも必死のようだが、状況に大きな変化はない。今、議会で議決を採れば開戦は拒否される可能性が高く、外交的に解決するような姿勢を見せざるをえない。

 シリアの反政府軍は、政府軍寄りだと見なした人びとを攻撃、建造物を破壊するだけでなく、虐殺と誘拐を繰り返してきた。犠牲者の中にはカトリック教徒も含まれ、ローマ教皇庁へもシリアに関する情報は届いている。そうしたこともあり、ローマ教皇は欧米の軍事介入に否定的な見解を発表しているのだろう。

 中東/北アフリカで欧米の巨大資本に服わない体制を倒そうとしている勢力は、時間稼ぎしているあいだにロビー活動、あるいは何らかの工作で雰囲気を一変させるつもりかもしれないが、厳しい環境にあることは間違いない。

 そこで、自分たちが劣勢だという印象を持たれないように宣伝している。彼らは、自分たちが「負け犬」だと思われ、一気に人心が離反してしまうことを恐れているはずだ。武力制圧が難しくなり、ロシアの提案に乗らざるをえなくなった言い訳は定番の「武力行使をする脅威を与えたことが、外交交渉の発端となった」というもの。いわば、ポーカー仕込みのはったり。

 リビアでもそうだったが、シリア政府は当初から話し合いによる解決を模索していた。それに強く反対してきたのが体制転覆を目指す「西側」や湾岸産油国、そして反政府軍。完全な傀儡体制を築くためには、軍事的に前体制を殲滅するしかない。

 しかし、シリアでは武力行使が難しくなった。アメリカ政府は仕方なく外交交渉に切り替えたのである。その方針転換に反政府軍は強く反発した。

 反政府軍の主力はアル・カイダ系のアル・ヌスラ。現在、アル・カイダを率いているとされているアイマン・アル・ザワヒリはアメリカでの破壊活動を口にしているが、このザワヒリとエジプト、パキスタン、スーダンで行動を共にしていたシェイク・ナビル・ナイイムによると、彼はアメリカの二重スパイ。アル・ヌスラを指揮しているモハメド・アル・ジャウラニはCIAの工作員だともナイイムは推測している。

 アル・ヌスラが化学兵器を保有していることを示す情報は次々に出てきている。リビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された後、リビアからシリアへ運び込まれた、あるいはサウジアラビアが提供しているという情報のほか、最近ではイラクから持ち込まれているという話が伝えられている。

 5月27日、サリンが入れられた2キログラムのシリンダーがトルコ南部に潜伏していた反シリア政府軍戦闘員の住居で発見され、後にアル・ヌスラのメンバー12名が治安警察に逮捕された。後にアダナ県の知事は否定したようだが、アメリカ軍のルートから機密文書がリークされ、報道は正しかったことが確認されている。

 このサリンはイラクのアル・カイダ(AQI)が実験室規模の装置で生成した「キッチン級」で、トルコを経由してシリアへ運び込んでいたようだ。このサリンを武装グループへ提供している人物は、サダム・フセイン時代に化学兵器製造で中心的な役割を果たしていたアドナン・アル・ドゥライミ准将だという。アメリカ政府は、この人物の活動を黙認しているということだろう。

 8月21日の攻撃で犠牲になった人びとを見て、使われたのは「希釈されたサリン」ではないかとも言われている。それだけでなく、犠牲者が子どもと成人男性だけで、しかも同年代の子どもが並べられ、親が見当たらない。このことに疑問を持つ人も少なくない

 また、防護服やマスクをつけず、最初に犠牲者の頭髪と衣服へ最初に触れた人は、付着しているサリンで死亡、あるいはダメージを受ける可能性がある。介護者が無防備の状態で犠牲者に触れているのは不自然で、しかも、その介護者が何をしているのか不明だと指摘され、中には介護者が子どもを毒殺しているのではないかと疑う人もいる

 犠牲者の大半が子どもと成人男性だということから、クルド系住民の居住地やラタキアから拉致された子ども、あるいは捕虜なのではないかという推測も流れている。ラタキアでは約200名が殺され、150名以上が連れ去られたと言われ、拉致された子どもの親も多くは殺されている。そこで確認は難しいのだが、一部の子どもについてはラタキアから連れ去られたと確認されている。

 アメリカ政府は今でもシリア政府軍がゴータを化学兵器で攻撃したと強弁しているが、説得力はない。権威に弱い人が多い日本では信じる人もいるかもしれないが、日本のマスコミが「御得意」の世論調査を発表していないところをみると、アメリカ政府を信頼していない日本人が多いのだろう

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 アメリカへの信用失墜は、「集団的自衛権」と称して自衛隊をアメリカ軍の下請け部隊にする計画を進めている日本の政府やマスコミにとって大きな痛手。マスコミは必死に「大本営発表」を続けている。勿論、この「大本営」は東京でなくワシントンDCにある。




ダマスカス近郊で反シリア政府軍が化学兵器を使ったとする証言/証拠が続出、米国政府はシリア攻撃計画を中断し、その報告のためにケリー国務長官がイスラエル訪問 櫻井ジャーナル 2013.09.15
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201309150000/

 ロシア政府の主導で進められた米露交渉の結果、アメリカ軍のシリア攻撃はひとまず回避され、シリアが化学兵器を廃棄することも合意された。その直後にアメリカのジョン・ケリー国務長官はイスラエルを訪問している。この訪問について、イスラエルにも化学兵器の廃棄を求めるのかと皮肉る向きもあるが、勿論、シリアを攻撃しないことに関する弁明が中心になるのだろう。

 8月下旬からアメリカ政府はシリアを直接攻撃する態勢に入っていた。イスラエルやサウジアラビアからの圧力に抗しきれなかったのだろうが、そう明け透けには言えない。そこで使われた口実がシリア政府軍による化学兵器の使用だった。つまり、シリアを攻撃する真の目的はバシャール・アル・アサド政権の打倒にほかならない。「シリアの現体制が気に入らないからぶっ潰します」と言うわけにはいかず、化学兵器を持ち出したわけだ。

 しかし、そうそう都合良くシリア政府が化学兵器を使うわけもない。実際、8月21日の化学兵器による攻撃は反政府軍が実行したことを示す証言や証拠が次から次に出ている。つまり、体制転覆を狙う勢力が「偽旗作戦」を展開した可能性が高い。これは本ブログで何度も書いてきたことだ。

 そもそも、化学兵器を保有しているとされている国は少なくない。シリアだけでなく、アメリカ、ロシア、イスラエルも保有国。リビアも持っていて、体制転覆後、その一部がアル・カイダによってシリアへ運び込まれたとする情報もある。そのほか、アルバニア、ミャンマー、中国、エジプト、インド、イラン、朝鮮、パキスタン、セルビア・モンテネグロ、スーダン、台湾、ベトナム、そして日本が化学兵器を保有していると見られている。

 2008年12月から09年1月にかけてイスラエル軍がガザで使用した白リン弾も化学兵器の一種。白リンが衣服や人体に付着すると火を消すことが困難なため、人体に深刻なダメージを与える。アメリカ軍はイラクのファルージャを攻撃する際、白リン弾や劣化ウラン弾を使ったことが明らかにされている。

 ファルージャの戦闘は、2004年3月にアメリカの傭兵会社、ブラックウォーター(現在の社名はアカデミー)に雇われた元特殊部隊員4名が殺されたことを切っ掛けにして始められた。住民側は、その4名がCIAの仕事をしていたと主張している。このケースでは不明だが、傭兵たちは確かにそうした仕事もしていた。

 そのファルージャ、あるいはイギリス軍に攻撃されたバスラで新生児に奇形や脳の障害などが多発しているという報告がある。劣化ウラン弾の影響も強く疑われているが、鉛などの金属が人体に入った影響もあると見られている。

 ファルージャの場合、2007年から10年にかけて新生児の半数以上に先天性欠損があったという。1990年代以前には2%以下、2004年に占領軍から攻撃される前は約10%だ。バスラの産院における先天性欠損の割合は、1994年から95年にかけて1000人のうち1.37人だったのだが、2003年には23人、そして2009年には48人に増えている。

 このように、アメリカやイギリスを中心とする軍隊に侵攻された後、イラクでは先天性の異常が増えていると報告されている。その問題に関する調査をWHOも2012年の5月から6月にかけて実施、11月に報告書が出される予定になっていた。この報告書でも先天性の異常や流産が増えているとされているようだが、未だに公表されていない。

 劣化ウラン弾による放射能の障害も推測されているわけで、1959年にWHOとIAEAが調印した合意文書が報告書の公表を妨害している可能性もあるだろう。この文書の第1条第3項の規定では、一方の機関が重大な関心を持っている、あるいは持つであろうテーマに関するプログラムや活動の開始を考えている場合、その機関はもうひとつの機関に対し、問題を調整するために相談しなければならないことになっている。

 アメリカ、イギリス、イスラエルは「レッド・ライン」を超えた・・・どこかの国にそう言われ、攻撃されても仕方のない状況だ。



神経ガスによるマインドコントロール 4 ザ・マトリックスならぬザ・グリッド
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8月21日にシリアで化学兵器が使用された疑いがあり、国連のチームが調査していたのだが、事務総長が報告書を受け取る前にその内容をフランスなどに知らせ、問題に 2013.09.16
http://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201309160001/

 9月13日に国連の潘基文事務総長はWIF(女性国際フォーラム)で講演、その中で8月21日の化学兵器を使用したと見られる攻撃に関する調査に言及、化学兵器は使われ、シリア政府が人道に対する多くの犯罪を犯したと言明して話題になっている。報告書を発表する予定日も16日だと語った。

 この報告書が調査団の責任者から潘事務総長へ提出されたのは15日。その2日前に事務総長が報告書の内容を知っていたとするならば、事前に報告書をチェックしていたことになり、作成の過程で外部からの影響があった疑いが生じる。そこで問題になっているのだ。

 インナー・シティ・プレスのマシュー・リー記者によると、事務総長より前にフランスのローラン・ファビウス外務大臣は報告書の内容を公然と語っていた。つまり、報告書は16日に発表され、シリアのバシャール・アル・アサド大統領が攻撃に関与していると話していたというのだ。この情報をフランス政府は国連事務総長から聞いたという。イギリス政府も事前に報告書の内容を知らされていたようだ。

 3月のケースでは、国連独立調査委員会メンバーのカーラ・デル・ポンテが化学兵器を使用したのは反政府軍だった疑いが濃厚だと発言していたこともあり、

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8月の調査について、潘基文事務総長は化学兵器が使われたかどうかを調べるだけだとしていた。

 ところが、報告書の作成に外部からの関与があったことを疑わせるような形で潘事務総長がリークしたのは、状況が変わったからだろう。ひとつの可能性は、シリアに対する米英仏軍の直接的な攻撃が挫折したということ。

 国連の報告書に関係なく、8月に化学兵器を使ったのは反政府軍だとする証言、証拠は増えている。そうした情報、分析を否定するのならば、それだけ説得力のある内容が要求される。


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国連の瞑想室
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シリアの化学兵器使用問題に関する国連の報告書に米国政府の主張を否定する内容 2013.09.18
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 シリアのダマスカス郊外で化学兵器が使われたとされる問題を調べていた国連の調査団が報告書を9月15日に潘基文事務総長へ提出した。それを受け、アメリカの政府やメディアはシリア政府軍が化学兵器を使ったと叫んでいるのだが、アメリカ政府の主張に疑問を突きつけるデータが報告書には書かれている。

 被害者数が大幅に違うと言うことはともかく、疑問のひとつとして指摘されているのは、アメリカ政府が示している被害地域。8月26日に調査団が入ったモアダミヤはダマスカスの南にあるのだが、そこではサリンが使われた痕跡がなかったという。28日から29日にかけて調査したダマスカス東部の地域では明確にサリンの痕跡があるので、モアダミヤへサリンを搭載したミサイルが撃ち込まれたとは考えにくいということになる。

 被害地域が大幅に狭まると、アメリカ政府の描く構図が揺らいでしまう。反シリア政府軍が化学兵器を保有しているとする情報がインターネットで流れている現在、「大量のサリンが使われた」としなければ、政府軍が使ったと主張しにくいからだ。

 反政府軍が化学兵器を入手した方法はいくつか考えられている。実際、「キッチン級」のサリンが使われているようなので、「自家製」の化学兵器を持っていることは確かだろう。

 兵器級のサリンを保有している可能性も高い。リビアでムアンマル・アル・カダフィ体制が崩壊した時に兵器庫から持ち出された疑いがあり、ゴータの医師、住人、反政府軍の兵士はサウジアラビアを指摘しているという。息子が反政府軍の戦闘員だったという住民のアブ・アブデル・モネイムによると、サウジアラビア人はトンネルを武器庫に使っていて、その中にチューブ状の構造物と巨大なガス用ボトルが含まれていたと話している。

 サウジアラビアは武器や資金を提供しているだけでなく、戦闘員を大量に送り込んでいるとする情報もある。以前は傭兵を雇っていたが、それだけでは足りないようで、死刑囚を恩赦と引き替えにして、シリアで戦わせているという。サウジアラビア政府は否定しているらしいが、その内訳も伝えられている:シリア人254名、サウジアラビア人212名、パキスタン人203名、イエメン人110名、スーダン人96名、エジプト人94名、ヨルダン人82名、ソマリア人68名、クウェート人44名、アフガニスタン人32名、イラク人23名、パレスチナ人21名。

 トルコでの報道によると、5月27日にサリンが入れられた2キログラムのシリンダーが反シリア政府軍戦闘員の住居で発見されたという。トルコ政府はこの情報を否定しているようだが、アメリカ国防総省のOSPで分析官を務めていたマイケル・マルーフはこの報道を補完する情報を伝えている。

 情報の根拠はアメリカ軍から入手した機密文書。トルコで発見されたサリンはイラクのアル・カイダ(AQI)が実験室規模の装置で作ったもので、その製造で中心的な役割を果たしているのはサダム・フセイン時代に化学兵器製造で中心的な役割を果たしていたアドナン・アル・ドゥライミ准将だという。ただ、マルーフが所属していたOSPはネオコンが偽情報を発信するために作った機関。このことから、マルーフの情報に疑問を投げかける向きもいるようだ。

 シリアの放送局、アル・イクバリアは15日に放送された番組で、トルコ軍が反シリア政府軍へ化学兵器を提供していると伝えたという。トルコ政府はシリアの体制転覆を目指しているわけで、「偽旗作戦」に荷担しても不思議ではないが、今のところ真偽は不明だ。

 米英仏の3国は、国連の報告書をシリアの体制転覆に利用しようとしているが、アメリカ政府は自分たちが持っているという「証拠」を明らかにしていない。イラクを攻撃する際、アメリカ政府は「証拠」を公表したが、すぐに偽情報だということが発覚してしまった。その失敗を反省し、何も公表しない可能性がある。


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by oninomae | 2013-09-16 14:23 | 戦争詐欺・紛争  

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