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帝国の両刃の剣: グローバル軍 + NGO Tony Cartalucci Ⅲ

帝国の両刃の剣: グローバル軍 + NGO 主権国家を解体し、グローバル・システム管理者で置き換える Tony Cartalucci 2012-02-18 その2
http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2012/05/ngo-7ffa.html

第III部: 21世紀の帝国主義再考

ここまで、帝国主義がいかに大いに健在であるかという幾つかの例を検討した。イギリスによって、どのように帝国主義が実行されたかも検討したが、現在、具体的には一体どのように導入されているのだろう? また、なぜ人々は進んで従うのだろう?

http://www.youtube.com/watch?v=d3xlb6_0OEs&feature=player_embedded

ビデオ: トマス・バーネットは、アメリカのグローバル軍が "戦闘空間"を征服する一方で、"平和な空間"に進出する為の"システム管理者"(別名、市民社会)軍団の設置を語っている。ソロスのレベニュー・ウォッチは、全米民主主義基金と共に、まさにそうしたNGOの軍団を生み出した。そして兵士達が自分達は"自由"の為に戦っているのだと信じて気の狂ったように帝国主義を推進するのと同様、これらNGOは自分たちは"人権"を推進しているのだと信じて、ウオール街とロンドンのグローバル覇権を拡大するのだ。


"システム管理者" という用語は、"ペンタゴンの戦争と平和新地図"という題名の2008年のTED会議で、おしゃべりをしている聴衆を前に、アメリカの軍事戦略家トマス・バーネット[Thomas Barnett]が使ったものだ。演説の18分あたりで、軍隊を二つの別個の部隊、"アメリカが使えるリバイアサン軍"と"、システム管理者"に改編するという概念説明を始めている。

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一方は、標的にした国の既存ネットワークを、空爆、特殊作戦、あるいは侵略によって、破壊するものであり、装甲車両、戦闘機や爆撃機等を含む軍の資産で構成されている。もう一つは、その後、"リバイアサン部隊"が残した廃虚、あるいは、外国が支援する不安定化によってひき起こされた混乱状態の上に構築をするシステム管理者で構成されている。システム管理者は、NGO、国際組織や、傭兵から、民事部隊将校(心理戦)、そして必要であれば兵隊と海兵隊員に至るまで、あらゆるもので構成される

バーネットは、もしも誰かが、西欧の "システム管理者" ネットワーク建設を邪魔しようとすれば、"海兵隊員がやってきてお前たちを殺す"と警告している。これは、おそらくイギリス守備隊が植民地の不満分子鎮圧でしたのと同様だろう。

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画像: ボストン虐殺事件。"システム管理者"に抵抗する人々は気をつけよ。連中を止めようとすれば、"海兵隊員がやって来て、お前たちを殺す。"


講演は2008年に行われたものだが、既に、まさにそうした部隊を拡張し利用する為のしっかりした措置がとられているのを我々は目にしている。 バーネットは特殊作戦のことを"引き金を引く連中"と呼び、規制は"出来るだけ緩くしたい"と語っていた。つい最近、コルベット・レポートと、メディア・モナーキーが、軍の"エリート"部隊向けに提案されている任務の拡大を報じた。特殊作戦軍のウイリアム・マクレイヴン大将は"インテリジェンス情報とグローバルな出来事が、彼らが最も必要とされていることを示している"場所"に、彼の部隊と彼等の武器を配置する一層の自治を求めていると言われている。

http://www.youtube.com/watch?v=GHAQUxtnHAk&feature=player_embedded

ビデオ: 特殊作戦軍は、"インテリジェンス情報とグローバルな出来事が、彼らが最も必要とされていることを示している"場所に配備す際に、一層の"自治"を求めている。この"規制緩和"は新帝国主義的征服の諸刃の剣、グローバル軍隊とシステム管理者構築の一環だった。


更に、アラブの春が勃発する前の2008年から2011年までの間、米国務省とそのグローバルな世話役達のネットワークは、文字通り、政権打倒を開始し、バーネットがTEDで述べた、極めて世界的な政権のネットワークを建設するためのNGOと反政府集団の軍隊をたちあげるキャンペーンに乗り出した。つい最近、"大企業が資金援助するソロス・ビッグ-ビジネス・アカンウタビリティー・プロジェクト"という記事で、標的とされた国々の資源管理に焦点を当てたシステム管理者をたちあげるために、同様なNGO軍団が動員されていると報道された。それは「レベニュー・ウォッチ[Revenue Watch]」と呼ばれており、
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主にアフリカと東南アジアを対象としており、アフリカにおけるアメリカ・アフリカ軍AFRICOMによる攻勢とアジアにおけるアメリカの "太平洋の世紀"宣言を補完する"システム管理"手法だ。

バーネットの提案は、アメリカが資金を提供したアラブの春で見られたように、標的とするネットワークを破壊する為、必ずしも"アメリカが使えるリバイアサン部隊" を必要としないことは極めて明白だ。バーネットが"引き金を引く"で述べている、特殊作戦等のリバイアサン部隊や民事部隊やNGOや、システム管理者側からの民間業者といった工作手段を活用して、公然の軍事介入にまでは至らない武装反乱を含めたレベルまで騒乱を醸成するのだ

例えばリビアでは、2011年2月に、NGOと民事顧問団が騒動を始め、カダフィ政権を打倒する為に戦士を武装するべく兵器が密かに持ち込まれた。NATOが全面的空爆の準備を始める中、ICC等の国際組織は、NGOから提供される情報を活用して、対リビア政府世論を悪化させた。ひとたび爆撃が始まってしまえば、あとは単にNATOの容赦ない空爆で残された空白状態を埋める為の特殊作戦部隊や武器や他の世話役達の奔流を、徐々に増やすだけの問題でしかなかった。かくしてリバイアサン部隊とシステム管理者部隊は協力して働き、一方は旧来の方法で道を切り開き、もう一方は、長期にわたる米国居住者で、石油研究所理事長のブドゥルラヒム・アル・キーブ[Abdurrahim el-Keib]を首相として据えるのを手助けするべく新たなネットワークを構築する。

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例えばタイのように、こうした軍事オプションが選択肢とはならず、その正当化が不可能ではないにせよ困難な国家においては、標的にした主権のネットワークが破壊できた場合、あつらえ向きの代理人になりそうなシステム管理者と、適切な反体制運動の後押しに、ウオール街とロンドンのあらゆる支援が向けられた。

タイの場合、その代理人は、元カーライル・グループ顧問で、カーライルの一員ジェームズ・ベーカーと彼の事務所ベーカー・ボッツ
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ブッシュのイラクへの個人的特使であるバーボー・グリフィス & ロジャーズロバート・ブラックウィル[Robert D. Blackwill]、
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そしてPNAC署名者であるエーデルマンケネス・エーデルマン[Kenneth Adelman]
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等によるロビーイングを含め、豊富なアメリカ支援の受取人である、タクシン・シナワトラだ。
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2001年から彼を追い出した2006年のクーデターまでの首相在任中、彼は前夜も文字通りニューヨークの外交問題評議会に報告し、アメリカのイラク侵略へのタイ軍参加を約束しCIAが忌まわしい引渡しプログラムにタイを利用するのを認めていたのだ。

西欧軍ではそういう主張できないため、彼は現在バーネット占領軍の代役である"カラー革命"軍団を率いている。これには2010年の未遂に終わった反乱の際の、確認されている武装民兵利用も含まれている。彼等は"赤シャツ"、あるいは反独裁民主戦線(UDD)として喧伝されており、2011年4月ワシントンD.C.訪問時、ソロスのオープン・ソサエティーの資金援助を得ているヒューマン・ライツ・ウォッチ、国際問題民主研究所(NDI)、全米民主主義基金 (NED)、および米国ASEANビジネス協議会(U.S.ASEAN Business Council)と会見した

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画像: 多くの人々が、自発的な、土着の、独立したものだと信じているNGOや反体制運動は実際は、グローバル・システム政権を押しつけ、維持することが唯一の目的のより大きなネットワークの一部でしかないことは明らかだ。これは、手の込んだ曖昧な団体が絡み合ったものというわけではない。いずれの場合、彼等の為に政策を立案し、全てウオール街とロンドンのフォーチュン500社によって資金援助を受け、そうした企業の人物が議長を務める西欧の財団やシンクタンクへと至る直接の資金援助経路がある。(画像をクリックすると拡大)


主権を持ったタイ土着のネットワークを弱体化させ、打倒する取り組みを支援するために仕立てられている学究的世界もあり、その最たるものが"ニティラート" つまり "啓蒙された弁護士達"で、その支持者はタクシンの赤シャツ部隊のほぼ全員であり、最前列には、タクシンのアメリカ登録ロビイスト、ロバート・アムステルダムさえ含まれている。

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更には、プラチャタイのようなプロパガンダ組織NGOがあり、これは全米民主主義基金、ジョージ・ソロスのオープン・ソサエティーやUSAIDを経由して、米国務省から年間何十万ドルも受け取っている

NEDは人権キャンペーン委員会、クロス・カルチュラル財団(CrCF)や、環境のための法的正義プロジェクトにも資金を提供している。こうした団体は共通の外国スポンサーを分け合うだけでなく、お互い仲間同士で投稿しあい、それぞれお互いの為に請願書に署名し、同一の計略をお互いに永続させようとしている。こうした組織の綱領は"自由"、"民主主義"と "人権"の推進を謳っているものの、彼らが連動している出資者や"国際"組織の背景と、彼等が推進していると称する大義、彼等が実際に遂行している仕事の折合いを、彼等が一体どうやってつけているのか不思議に思わざるを得ない。

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画像: あきらかに、NGOプラチャタイには、いつものように、職を与え、支援し、タイの"独立ジャーナリスト"に賞を与える、全米民主主義基金やフリーダム・ハウスからの資金援助という"ひもが付いている" 。タイ用としてえり抜かれた帝国の代理人、タクシン・シナワトラ支援に、こうした同じ権益がいかに関与しているのかも明白だ。(画像をクリックすると拡大)

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全米民主主義基金や、その下部組織フリーダム・ハウスは、現職や、元の議員、米国務省、大企業ロビー、エクソン、ボーイング、フォードや、ゴールドマン・サックス等を含む一部の世界最大企業の重役が、政府、ビッグ・ビジネスやNGOの役職に年中出たり入ったりする、回転ドアに非常によく似た理事会を特徴にしている。彼等は、イギリスがそうであった様に、彼等が資金援助しているプラチャタイのようなNGOの大義に鼓舞された善意の人々が引き込まれるように"決してそうした慈悲深い意図に動機付けられているわけではない" 。

連中の願いは、最終的に、タイ自身の土着ネットワークの力と影響力を縮小させ、ウオール街とロンドンのシステム管理者の能力を、次第に強化することだ。ジョージアの場合と全く同様、無知と善意がこれらネットワークの兵卒を増やすのに利用され、ジョージアにおいてと同様、現地の寄付は、ほとんどまず十分ではない為、彼等はウオール街とロンドンが提供する不断の大規模支援に意図的に依存させられ続ける。そして、こうした人々の多くは、自分達は"崇高な大義" に身を投じていると信じているのかも知れないが、彼等は何世紀もの試行錯誤によって完成された帝国体制内のただの別種の兵卒にすぎない。

現地の活動家達は心から善意なのかも知れないが、自分達の建前のミッションと海外から自分たちに資金を援助している連中の偽善的な意図との間の矛盾を自覚している人々も必ず存在している。軍隊同様、このNGOのシステムは、一般大衆の無知、つまり高貴な大義だと自分たちが信じることのために貢献したいという善意から引き込まれる人々や、彼らの本当の狙いが一体何かを全く知らないまま、これらのネットワークが世界中に蔓延してゆくのを見過ごしている世界中の人々につけこんで、永続しているのだ。

トレバー・リースは、18世紀帝国主義の状態について、現在も依然として良くあてはまる、もう一つの適切な所見を示している。

"18世紀、イギリスの政治生活上、植民地問題は副次的問題だった。「イギリス国民は放心状態のうちに帝国を建設したのだ」というジョン・シーリー卿の金言は、帝国の拡大が国民の注目を引くことは稀であるという意味で真実だ。イギリスには常に、反帝国主義感情を表明し、帝国植民地が、究極的に、本国の支配から、離脱してしまうのを恐れる少数の批判者がいたとはいえ、そういう人々はほんの一握りに過ぎない。通常、人々が植民地について考える場合が頻繁にあるわけではないが、人々は植民地をそこそこ認め、ほとんどそれについては何も知らないにもかかわらず、帝国の利点を信じていたのだ。"


現在も同様に、ウオール街とロンドンが海外で行っていることについては、多くの人々が良く分からないままにある。 軍事介入はマスコミに大きく取り上げられ、大半の人々にとっては、短期間ながら、紛らわしい一時的な目くらましになる。大半の人々はNGOという概念についてはほんの僅かしか知っておらず、まして、こっそり忍び寄る戦争機構と協力して活動し、その間チュニジアからタイに至るまで、ありとあらゆる場所で前進しているかなど全く知ってはいないのだ。

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現代のマスコミは、NGOとは何かという我々の認識を形成すべく、USAIDの米袋をしっかり握って微笑するアフリカ人や、繁栄する野生生物や、発芽して露に覆われた苗木等を描き出してくれるが、実際は、NGOとは、旧世界を解体し、新しいもので置き換える為に作られた集中制御装置なのだ。

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それは、そこに暮らす人々に対しては、最も表面的なレベル以外のことには答えず、これまで常にそうして来たように、競争相手を残酷に、ひどく獰猛に自らの胃袋へと注ぎ込み、テーブル上に残された場所へと喜んで進出して、庶民を支配する人々、金持ちのエリートに対して答える組織だ。

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続く


元記事は

Empire's Double Edged Sword: Global Military + NGOs  Tearing down sovereign nations & replacing them with global system administrators.  by Tony Cartalucci
http://landdestroyer.blogspot.jp/2012/02/empires-double-edged-sword-global.html

by oninomae | 2012-05-13 05:55 | 政治詐欺・政治紛争  

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