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オバマ、オーウェル風のダブル・スピーク戦術に訴える: 戦争の本当の代償 Paul Craig Roberts


http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-7441.html の転載

オバマ、オーウェル風のダブル・スピーク戦術に訴える: 戦争の本当の代償 Paul Craig Roberts   Global Research  2010年9月3日

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オバマの“イラク戦争終結”演説は、わずかながら残されていた彼に対する信頼感をも粉砕したに違いない。彼を支持する人々と、彼をイスラム教徒でマルクス主義者だと糾弾する、戦争挑発者である右翼連中との両方をなだめることを強いられて、オバマは、オーウェル風のダブル・スピーク戦術に訴えた。この戦争を始めた大統領と、この戦争を戦った兵士を称賛することで、彼はかろうじて戦争の終結を宣言することができた。しかし、今や、アメリカ人ではなくとも、大半の人間は、戦争が嘘と意図的な欺瞞に基づいていたことはしっかりと理解している。アメリカ軍兵士は嘘のために命を落としたのだ。

オバマ大統領は、アメリカがイラク解放に支払った代償について語ったが、イラクは解放されたのだろうか、それとも、イラクは、アメリカ傀儡の政治家の手中にあり、世界最大の大使館、本質的には要塞である建物から指令を受けている50,000人のアメリカ軍兵士と、200,000人の民間傭兵と“コントラクター”によって、いまだに占領されているのだろうか?

オバマ大統領は、“解放される”ためにイラク人が支払った犠牲については言及しなかった。100,000人(引用注:NHKが報道している数字だが、これは原爆被害者数が例えば1万人だったと言っているようなものだろう)から1,000,000人にのぼる無数のイラク人推計死亡者の大半は女性と子供なのだが、それには触れなかった。無数の孤児や不具にされた子供や、強制退去させられた400万人のイラク人、各種専門家という中流階級のイラクからの逃避、かろうじて残っていたアメリカの評判とともに破壊された、家、インフラ、村や町にも触れなかった。

破壊されたイラクを、一つのアメリカの傀儡国家にして、ワシントンの命令を聞くようにさせるため、イラクに“平和”をもたらし、イラク人をサダム・フセインから解放するのだという、オバマが描き出したイラクに対するアメリカの“約束”からは、こうした物事全てがすっかり抜け落ちている。

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アメリカを大量破壊兵器やアルカイダ・テロリストから救うのに、イラク侵略が必要だったというふりを、アメリカ政府はもはやできないので、壮大な戦争犯罪のアメリカ政府による正当化は、アメリカのように、自分に反対する人々をひどく苦しめてきたサダム・フセインを、排除するためだった、ということになっている。

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どうしようもなく馬鹿な狂信的超愛国主義アメリカ人の間でさえ、一体地球上の誰が、破たんしたアメリカ合州国政府が、イラクを独裁から解放するため、たった一人の人物、サダム・フセインを排除するために3兆ドルもの借金を費やしたなどと信じよう? こんな話を信じる人は正気ではない。

サダム・フセインは、もし金をやるから引退しろと言われていれば、ずっと僅かの額で引退していたろう。

アメリカ人は“イラクを独裁から救う”という口実に皮肉を感じているだろうか? イラクに対するネオコン戦争の最大の代償は、3兆ドルでも、死亡したり、不具にされたりしたアメリカ兵士や、親族を失った家族でもない。この邪悪な戦争の最大の損失は、アメリカ憲法と、アメリカの市民的自由の破壊だ。

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ブッシュ/チェイニー/オバマの安全保障国家は、憲法と市民的自由を骨抜きにしてしまった。 もはや何も残っていない。大統領は法の適用を受けないと裁定をするに十分な人数の連邦裁判所判事を、ファシストの共和党フェデラリスト協会が、司法制度に送り込んだ。令状無しでアメリカ国民をスパイすることについて、大統領は法律に従う必要がなくなった。大統領は、拷問に対し、アメリカ法にも国際法にも従う必要がないのだ。議会だけが宣戦布告することができると命じる憲法に、大統領は従う必要がないのだ。彼が“国家安全保障”だといって正当化する限り、大統領はやりたいことを何でも実行できる。

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大統領は、政府の一部であり、責任を負わない行政府は、至高なのだ。責任を負わない行政府のどこかの誰かが、そのようなアメリカ国民を“脅威”と見なせば、大統領は、海外在住あるいは国内のアメリカ人を殺害するという彼の決定を、弾劾されることなく、宣言できるのだ。

殺戮が第一。後で責任を追求されることも無い。

司法当局からの、介入もほとんど無しで、議会の支持を得て、行政府は、一方的な、責任を負わない権力を行使して、アメリカ憲法を処分してしまった。アメリカによる自国の違法な侵略と占領に反対する外国人の反対者を、行政府は、戦時国際法にも、アメリカ刑法にも支配を受けない、従って、告訴も証拠も無しに、無期限の拷問と拘留におかれる“テロリスト”とだ宣言することができる。

これはブッシュ/チェイニー政権の遺産であり、オバマの下でこの犯罪的政権が継続している。

アメリカの“対テロ戦争”でっちあげは、中世の謎の地下牢と、マグナ・カルタ以前に主流だった、むき出しの専制政治を復活させた。

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これこそが、イラク“解放”の、つまり、イラクをアメリカの権益のために自国民を裏切るようなアメリカの属国に作り替えることの、本当の代償なのだ。

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一体誰が、今アメリカ人を、ブッシュ/チェイニー/ネオコン/オバマの専制から解放してくれるのだろう?

オバマ大統領はイラクにおけるアメリカの戦争犯罪は終結したと断言したが、アフガニスタンには“50人かそれ以下の”アル・カイダ構成員しか生き残っていないとCIA長官が語っている状態を支配するため、アフガニスタンに、アメリカの戦争犯罪を輸出する権限を、オバマは主張している。“50人かそれ以下の”テロリストとされる連中を追求するために、破たんしたアメリカは、更に30億ドルの借金を背負いこむことになるのだ。この途方もない借金の無駄遣いを糊塗するため、これまでのアメリカ政権の不正直な慣習に習い、オバマは、国家統一を目指す何十万人ものアフガニスタン人によって国内で成長した運動であるタリバンを、アルカイダと同一視している。

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さほど金をかけずに“テロリスト”と戦う方法は、中東や中央アジアにアメリカ帝国を作り出すのをやめ、先住民にアメリカの傀儡国家を押しつけるのをやめることだろう。

優れた徳性がご自慢の、買収され、報酬を得ているヨーロッパの傀儡諸国は、ワシントンと共同歩調をとって、ポケットにドルを詰め込んでくれるアメリカというご主人様に服従している。 

マグナ・カルタ以来、専制政治と戦ってきた西欧が、今や自国と世界の他の国々に、専制政治を強要しているのだ。

もしヒトラーやスターリンが勝利していたら、何が違っていただろう? 裁判も証拠も無しに有罪宣告をした“国家の敵”を、KGBの慣習のように首筋ではなく、オバマ政権は、前頭部で射殺するつもりなのだろうか?

それ以外に、一体どういう違いがあるだろう?

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ポール・クレーグ・ロバーツはGlobal Researchの常連寄稿者。ポール・クレーグ・ロバーツによる、Global Research記事。

記事原文のurl:

http://www.globalresearch.ca/index.php?context=va&aid=20874



参照

自由の名の下の民族浄化 by David Rothscum 1
http://satehate.exblog.jp/13916541/

自由の名の下の民族浄化 by David Rothscum 2
http://satehate.exblog.jp/13931994/

自由の名の下の民族浄化 by David Rothscum 3
http://satehate.exblog.jp/13940168/

自由の名の下の民族浄化 by David Rothscum 4
http://satehate.exblog.jp/13953074/

誰が本当のテロリストか? by David Rothscum 1
http://satehate.exblog.jp/13983312/

誰が本当のテロリストか? by David Rothscum 2
http://satehate.exblog.jp/13988187/

アメリカによるホロコースト:イラクの人口削減 by David Rothscum 1
http://satehate.exblog.jp/13998777/

アメリカによるホロコースト:イラクの人口削減 by David Rothscum 2
http://satehate.exblog.jp/14017053/

アメリカによるホロコースト:イラクの人口削減 by David Rothscum 3
http://satehate.exblog.jp/14033526/

自由の名の下での民族浄化:パート2
http://satehate.exblog.jp/14041232/ 

by oninomae | 2010-09-06 22:34 | 政治詐欺・政治紛争  

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