ブルッキングス研究所/アンドリュー・カーネギー/ヘンリー・フリック

ブルッキングス研究所を生み出したアンドリュー・カーネギーが、カーネギー国際「平和」財団を名乗ったのは、銃砲と戦艦を生産して戦争に群がる"死の商人"と非難された鉄鋼産業の罪の意識の裏返しだった。
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軍事シンクタンクの思想も、十九世紀の鉄道から生まれたのである。今日のアメリカの軍事力を生み出し、大きく育てたのは、南北戦争後に訪れた鉄道の急拡大時代と鉄鋼産業である。

一八九二年にカーネギーの関連会社を統合して設立された世界最大の鉄鋼会社カーネギー・スチールは、会社設立の目的が労働者を低賃金で働かせて大量生産することにあった。当時カーネギーの事業の大半を動かしたのはアンドリュー・カーネギーではなく、鉄鋼用のコークスを支配した"石炭王"ヘンリー・フリックである。
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フリックがカーネギー・スチール会長に君臨した時、労働者の怒りが爆発し、悪名高い流血の惨事を招いた。労働組合をつくらせないため、ストライキなどを防ぐ手段としてホームステッド工場は強制収容所のように囲われ、フリック砦と呼ばれたほどだ。
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ペンシルヴァニアの警備兵八〇〇〇人が投入された史上最悪のホームステッド労働争議の鎮圧を指揮したフリックは、一九一八年に"フォーブス"が初めて発表した全米大富豪リストでロックフェラーに次ぐ第二位にランクされ、ここまで紹介した数々の鉄道のうち、ユニオン・パシフィック鉄道ペンシルヴァニア鉄道アチソン・トピーカ・サンタフェ鉄道ボルティモア・オハイオ鉄道といった、現代の三大鉄道の母体のほとんどの重役となった。
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カーネギーが投じた巨額の資金で運営される現代シンクタンクの内部に流れる思想は、フリックが主張した「力による制圧」をそのまま受け継ぐことになった。 

カーネギーが平和を口にするたびに、フリックはその偽善を嘲笑した。二人が不仲となり、カーネギーが話し合いを求めると、「カーネギー氏に伝えてくれ。二人が行くのは地獄だから、そこで会おう」とフリックは答えた。

カーネギー・スチールを設立したときアンドリュー・カーネギー個人が握った会社の権益は、同社の年間純益の五一パーセントという途方もない金だったのだから、余生をイギリスで過ごしながら平和を口にし、戦争嫌いを装って兵器で暴利をむさぼったカーネギーの偽善より、フリックのほうが事実に対して正直だ。

"自由の国アメリカ"とは、妨害者を排除して一部の人間が富を自由に占有するために、なければならない財閥用語である。
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彼らは、邪魔者を消すために、強大な軍事力を必要とした。トルーマン政権で初代空軍長官に就任し、米軍の空軍力を大幅に拡大したスチュアート・サイミントンが、石炭王フリックの近親者だったのである。
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ではなぜ、アメリカの国民が二十世紀前半までのように、この財閥支配メカニズムに不満や疑問を抱かないのか。

それは、財閥が日々、私財の一部を注入する慈善事業に余念なく、別の顔を持って国民大衆を喜ばせ、不満を言わせない社会システムをつくり上げることに成功したからである。力ーネギーが死ぬ前年までに寄付した総額は三億五〇六九万ドルに達したが、これは二〇〇〇年の貨幣価値に換算して五兆四三〇〇億円を超えるのだ。カーネギー・ホール、ジュリアード音楽院、メトロポリタン美術館、ナショナル・ギャラリー、リンカーン・センター、ロックフェラー・センター、スミソニアン博物館、国連ビルを始めとして、何もかもが財閥の慈善事業で生み出された。ハリウッド映画界、交響楽団、オペラハウス、病院、癌研究センター、エイズ救済基金(引用注:これは「偽善」もいいところだ)、科学財団、学校、キリスト教会、赤十字、図書館、自然保護公園、社交クラブ、メジャーリーグ、プロバスケットボール、アメリカンフットボール、テニス、ゴルフクラブ、シンクタンク、メディア、どれをとっても彼らの「慈善事業」(「」は引用者。どれにも表の顔に裏がある)の息がかかり、彼らの寄付と出資で成り立ってきた。
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それは、人口の一割ほどの人間が国民の富の大半を占有し、そのうち半分ほどを社会に還元する巧みなシステムである。残り半分の巨大な資産が、相変らず彼らの手許にあることに対して、"自由の国"の大衆は寛容である。

広瀬隆 アメリカの保守本流 (2003.9.22) 第4章 シンクタンクがばらまく軍事思想 p225-228より
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しかし、「終末のとき」が迫ってきたようだ沈黙の兵器はよく効いたのであった。
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Concentration CAMP OUT OF EDEN
http://angel.ap.teacup.com/applet/gamenotatsujin/msgsearch?0str=%82%A0&skey=Concentration+CAMP&inside=1


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by oninomae | 2008-11-09 20:31 | イルミナティ  

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